第16章 ヘリで浮上

大野視点

Ｍ「相葉くんもう少し寄れる？」
　松潤がカメラを持ったまま手を動かしている。

（次は…後ろの三人？）


Ａ「いけるよ！」
　相葉ちゃんの返事。

Ｎ「痛いよ」
　ニノが声を相葉ちゃんの声に被る。

Ａ「もっと寄って！」
　珍しくグイグイ押す相葉ちゃん。

Ｎ「もうぉ」
　しぶしぶ体を動かすニノ。


（二人とも…楽しそう）




Ｍ「リーダーこの間　入れる？」
　松潤がシートの間を指さす。


「んーここ？」
シートの間を指さす


Ｍ「うん」
　軽い返事が返ってきた。


（軽いなぁ…まぁ良いけど）



Ｍ「ＯＫ！！では　チーズ！！」
　カメラを覗いている松潤。


「イェーイ」
笑顔でピースをする。



　シャッターを押しニコッと笑う潤。




ﾐﾔｻﾄ「Please fasten a seat belt.」
　ミヤサトさんがコッチを向いて胸をポンポン叩く。

Ｍ「sorry」
　ペコっと頭を下げ、カメラを翔くんに返して、シートベルトを絞める松潤。



ミヤサトさんが、俺たち五人のシートベルトの着装を目視で確認していく。


Ｓ「I apologize for the trouble.」
　ミヤサトさんに翔くんが声をかける。

ﾐﾔｻﾄ「All right.」
　ミヤサトさんは軽く手を上げ答える。


（そう言う事は俺が言うわないといけないのに…任せっぱなし…）



　外にいたスタッフ達がドンドン離れていく。



Ｍ「いやー　何か緊張してきた」
　フーと息を吐いて俺の方を向く松潤。


「あんまり　横で『緊張』っていうなよ」
（おまえが、ブレるとみんなが困るよ）

Ｍ「だって…やりたいって言ったけど、本物が動き出すとさぁ」


「ふふ　スゲーとは　思うけどね？」
（有言実行…するための努力を俺はちゃんと知ってるよ）



Ｎ「外からの映像取るみたいだよ」
　外を指さすニノ。

Ａ「あ！ホントだ！いってきまーす」
　相葉ちゃんが外に向かって手を振る。



さっきまでの雨は小降りになっている。



ﾐﾔｻﾄ「Let's go.」
　ミヤサトさんの声が機内に広がる。



ヘリの音が一段と大きくなると、少しだけグラつく。


（そろそろ　空に…飛び立つのか…）