第16章 ヘリで浮上
松本視点
ミヤサトさんが、俺たち五人のシートベルトの着装を目視で確認していく。
S「I apologize for the trouble.」
ミヤサトさんに声をかける翔くん。
ミヤサト「All right.」
ミヤサトさんは軽く手を上げ答える。
(翔くんにフォローしてもらっちゃったぁ ちょっとハシャイじゃったかぁ)
きちんとシートに座って一呼吸する。
ジーッと俺を見ているリーダーに「いやー 何か緊張してきた」とごまかし笑いをする。
O「あんまり 横で『緊張』っていうなよ」
困った顔のリーダー。
「だって…やりたいって言ったけど、本物が動き出すとさぁ」
O「ふふ スゲーとは 思うけどね?」
柔らかく笑うリーダー。
N「外からの映像取るみたいだよ」
A「あ!ホントだ!行ってきまーす」
相葉くんとニノが外を見ている。
(あー 外周の撮影?)
さっきまでの雨は小降りになっている。
(飛べるくらいに止んだのかな…)
ミヤサト「Let's go.」
ミヤサトさんの声が機内に広がる。
(お!飛ぶんだな!!)
ヘリの音が一段と大きくなると、少しだけグラつく。
A「イェイーイ!上に行きまーす!!」
外のカメラに人差し指を縦てアピールしている相葉くん。
(あーいいね それ!)
「イェイェイェ」
俺も体を揺らしながら外にポーズをする。
ヘリコプターがゆっくり浮遊していく。
(おおおお!)
A「行ってきまーす」
手を大きく振る相葉くん。
S「おお、浮いた!!」
翔くんの声が震えている。
N「そりゃ…ヘリですから…」
ニノがピッタリくっ付いている。
雨は上がったけど、空は曇ったまま
爆音をあげて浮上して、コンサート会場に向かって飛んでいく。
(犬養…ちゃんと タイム取ってくれてるかなぁ…)