第16章 ヘリで浮上

二宮視点

Ｍ「相葉くんもう少し寄れる？」
　潤くんがカメラを持っていない方の手を揺らす。


（ん　俺の方に来るの…）

Ａ「いけるよ！」
　確認もしないで勢いよくマー君が寄って来る。


「ちょっ！痛いよ」
いきなり動いたから、わき腹にシートベルトの金具が当たる。


（狭いんだから！ちゃんと周りを見て行動して…）

Ａ「もっと寄って」
　頬を膨らますマー君。


（おまえがっ）
感情を言葉にしようとすると、横から温かい優しい手が俺を引きよせる。


（この手は翔さん？

「もうぉ」
　俺が悪いみたいじゃねーかよ）
しぶしぶ体を動かす。




Ｍ「リーダーこの間　入れる？」
　潤くんがシートの間を指さす。

Ｏ「ここ？」
Ｍ「うん」


（四人のショットが欲しいのかぁ）


Ｍ「ＯＫ！！では　チーズ！！」
　シャッターを押す潤くん


「イェーイ」
笑顔でピースをする。


　カメラを覗いてニコッと笑う潤くん。



ﾐﾔｻﾄ「Please fasten a seat belt.」
　ミヤサトさんが潤くんを見ながら胸をポンポン叩く。

Ｍ「sorry」
　ペコっと頭を下げ、カメラを翔さんに返して、シートベルトを絞める潤くん。


（良い顔してるけど　怒られました…ちょっとハシャギ過ぎたんですね）


ミヤサトさんが、俺たち五人のシートベルトの着装を目視で確認していく。


Ｓ「I apologize for the trouble.」
　ミヤサトさんに謝っている翔さん。

ﾐﾔｻﾄ「All right.」
　ミヤサトさんは軽く手を上げ答える。



（さすが　翔さん…日本人ですねぇ…）



Ｍ「いやー　何か緊張してきた」

Ｏ「あんまり　横で『緊張』っていうなよ」


（珍しく　潤くんが緊張してる…　ん…）
一度離れたカメラが近づいてきた。

（何しに来た…赤　付いてるから…）
「外からの映像取るみたいだよ」
外を指さす。

　前二人を見ていたマー君が外を覗き「あ！ホントだ！いってきまーす」と手を振る。


　外のフタッフたちが手を振る。


Ｓ「中の声は聞こえないよね」
　カメラを確認する翔さんが呟く。


「たぶんね」
（行動が子供なんですよ…）