第9章 特別製の舞台
チーフ視点
大野をステージから少し離れた所に呼ぶ。
二人で並んで、メンバーの行動を見ていた。
二宮が階段を上がって行く。
カメラのアングルを確認後の松本がステージに向かって歩いていく。
相葉と櫻井が嵐ハウスに入って行く。
「櫻井…落ち着いたようだな…」
O「そうですね…」
大野が呟くように返事をする。
「大野も落ち着いたか?」
O「はい…メンバーと話をしてて、落ち着きました」
決してこっちを向かない大野。
「こうやって、二人でこの地に立つとは思ってなかったなぁ」
少し大野に近づく。
少しビックする大野。
(ビクつくなよ…)
O「ぶっちは、おいらの事嫌いだったでしょ?」
大野が“ぶっち”と懐かしい呼び方で俺を見ている。
(ビックっとした割には、ふわっとした顔しやがって…)
大野を見つめながら「嫌い?違うよ“大嫌い”だ」と言った。
O「えー“大”が付くほど?」
最近の大野の顔で驚いていた。
(よしよし。お前の顔はその顔の方がいい…)
「大嫌いだったよ。
おまえの所為で良い子だった櫻井が、荒れ始めたからな!」
O「ふふ。ぶっちは翔ちゃんLOVEだったもんね」
「おい!そのLOVEって止めてくれるか!
どうして、お前たちは、敬愛を“LOVE”と表記したがる」
O「敬愛って“大好き”ってことでしょ?なら“LOVE”だよ」
大野がニコッと笑う。
「……はー。それでもいいよ」
相葉と櫻井の話声が聞こえてきた。
「あ、着替えが終わったようだな、そろそろステージ行こうか?」
O「はい。頑張ります!」
「…ココなら、お前の力を阻害する者は少ない。
思いっきりその力を振るって、楽しむように!
おーい!」
大野の肩をポンポンと叩いて、カメラマンを呼ぶ。
「大野についてくれ!」
カメラマン「はい!」