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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第8章 その船…この船?


二宮視点

M「見ても思い出せなかったら、全然感動ないね」

A「あははは」

S「“あー!これこれ!”ってなりたいんでしょ?」

「四人とも…この上にいたんでしょ?何か思い出してよ!」

(この船だよ…)
デッキよりも長くいた 下の部屋を見てきた俺は確信している。


O「そういう、ニノは?」
 プリントアウトされた写真を見ているとリーダーが聞いてきた。


「俺?俺はずっと下に居ましたから、ココの記憶はほぼないです」
顔を上げずに返事をする。

(…効くまでの時間が足りません…


 嫌ですよ。

 30過ぎの良い大人が船にゆられリバース…何て、見せたくない。

 メンバーは絶対!見せたくなぁーーい)

心の中で叫びながら、薬の入っていたパッケージを指先で小さく折ったり、広げてたりを繰り返している。


M「酔い止め飲んだ?」
 潤くんが小さい声で聞く。

「うん…」

S「じゃ、船の上では、座ってな…うろうろしない方が三半規管を刺激しないから…」
 翔さんがやさしく指示をくれた。


M「とりあえず、編集の時にデビューの時の映像を入れながら、俺らが、
  覚えている所を補足していこうよ」

S「補足?」

M「さっき翔くんが言ってた乗り継ぎって、クルーザーから客船に渡る時だよね?」

「ゴムボートで渡ったじゃん…」

O「ゴムボート!ああ!思い出した!
  さっきの翔くんの所… わかった。わかった」
 リーダーがやっと、一つ思い出したようだ。

「相葉さんは?なにか思い出した?」

A「えー俺は、社長に言われたセリフをずっと言っていた。位かな…

  だってさ!いきなりだったじゃん。もう、何が何だか分からなかったよ。

  だから、船はっていうか、全体的に覚えてません」

 真面目に答えているのか、ふざけているのか、わからない顔のマー君。
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