第8章 その船…この船?
二宮視点
スタッフ「……撮影しますので、よろしくお願いします」
A「はーい」
潤くんとマー君が自然に話を進めながら、マリーナに隣接するカフェの軒下をどんどん進む。
M「まったく同じのが、あるらしいよ」
潤くんが、翔さんに説明している。
翔さんと潤くんは、まるで初めて話している内容として話をしている。
「うそだよ」
音声に拾われるかどうかわからない位の声で、チャチャをいれる俺。
M「いやいやホントに!
それが、たまたま このコオリナのマリーナにあったんだって!」
(潤くん…俺のキャラに真剣に反応しなくていいよ…)
潤くんの反応がちょっとこそばかった。
カフェからマリーナに降りる階段まできたら、白い船が見えた。
A「これ?」
マーくんが白い船を見ている。
M「これ!」
潤くんが指さしている。
背の高い二人が立ち止まったせいで、出口付近渋滞する。
A「こんなんだっけ?」
S「こんな ちっちゃかったっけ?」
翔さんが首を傾げている。
「ちっちゃかった…これぐらいじゃない?サイズは…」
{カズナリ…}
理解者の控えめな声が聞こえる。
O「もっと、デカかった気がしてた…」
(!こんなに密集していたら、誰かに聞こえたかな…)
周りをチラッと確認する。
(あ!やば!チーフと目があった…今の声…聞こえたかな?)
A「これで行って、乗り換えたのか?」
マー君が誰に質問しているかわからないけど、質問を飛ばしている。
M&N「「そうそう」」
その質問に俺と潤くんが同時に答える。
O「乗り換えた?……そもそも、あんな船乗ったっけ?」
大野さんの素の"?"が頭に浮べなから、ずっと腕を組んで考えてる。
「乗ったよ……」
(覚えてないんですか?あの地獄を…)
チーフ「旗持って、手を振った場所は上のデッキだよ」
チーフが船の上の方を指さす。
S「上のデッキ?」
翔さんは目を細めて船を見ている。
植え込みの方で、理解者の光が見える。
A「あの、うえの 運転席のところにいたんよね?」
チーフ「そうだよ」