第104章 俺だけの空間
涼しい顔で俺から離れていく桔梗
俺は、古いしきたりのある一族に産まれた。
だから、一般的な年中行事より多めの行事があった。
それでも、両親は俺をちゃんと普通の人として生きていけるように、育ててくれた。
俺も、両親のような人に、なれるように、しっかり勉学や運動に取り組んだ。
中学に上がる頃、俺が〝雄花〟である事が発覚して、取巻きの態度が変わった。
「そんな時だったんだよな」
目を閉じて、笑う俺。
こういう気持ちの時、決まって思い出すのは、無数の小さい光の中に立って踊る沢山の背中
俺、無意識でも、あの背中の後ろに行けたもんな
「早く書き上げよう!」
目を開け、手帳にさっきの箇条書きを見ながら、挨拶文を書く。
『嵐』の15年と言う節目の祝いとして
このような宴の席を頂戴しまして
ありがとうございます。
虹の聖霊イーリスをはじめ、お越しの精霊様に祝福をいただき、光栄で心震わします。
我々はそれぞれの属する人の子として生まれ。
ジャニー社長の導きで『嵐』として、御簾前の舞台に上がりました。
それぞれのしきたりに翻弄され沢山の叱咤激励がありました。
理不尽な事も言われました
自分の意と反する事をしなければいけないっ事もありました。
しかし、それもまた、我々の心と体を強くしていきます。
我々は、我々の信じた方に進む為、じっくり、しっかり、足元から固めていきました。
それが今の この『嵐』です。
たくさんの愛を… 奇跡を集めた結晶です
虹の精霊イーリス様より いただいた言葉です
『十五年の年月は 人の営みでは 童より人に成長する』
器の年齢はとうに三十路に達しておりますが、
我々嵐は、やっと一人前の位置に立ちました。
人の時間は儚いものです。でも、だから、愛おしい
嵐として立つことが出来た これからの歩(あゆみ)を
どうか 見守ってください 導いてください。
イケメンぞろいの ジャニーズ事務所 所属
平均年齢30越え
超自然体 アイドル 嵐の『大野智』です
「よし!こんな感じだな!」