第7章 記憶の風景
松本視点
(おい!おい!こんな所で、二人の世界に入らないでよ!)
ニノと二人の写真を取り終わって、次の立ち位置に移動しようとした時、
まさかのラブラブ行動を確認した俺。
(昔から知っているマネやスタッフにはいいけど、どこで誰が見ているかわからないんだ。お二人さん場所考えてよ!)
「なに見つめあってるの?」
翔くんの背中の方から抱き付いてその場を笑いに変える。
翔くんが何も反論しない。
(あ!もしかして、翔くんの方がヤバい?)
リーダーの方を確認する。
(えぇぇ…そっちもぉ?二人ともソッチ側から帰ってきてない?
ちょっと!ヤバいよ!!)
対応を考えていると、相葉くんとニノが二人の体を掴んで、仕事の話をし始めた。
A「次、翔ちゃんと俺だよ」
相葉くんが翔くんの腕をグッと掴んで笑っている。
N「大野さんは私とです♪」
ニノがリーダーの体をを引っ張っていく。
(さすが、二人は対応が早い!!)
ちゃんと仕事している。
でも、俺たちは気づいている。
二人が無理している。
(……二人を今晩中に何とかしないと……)
A「翔ちゃん!!次は!大ちゃんとだよ♡」
相葉くんの嬉しそうな声が聞こえてきた。
S「え…あ…うん…」
翔くんがぎこちなく近づいて来る。
O「翔くんが前だよ…」
リーダーが手を差し出している。
翔くんが借りてきた猫みたいに、ちょこんと座る。
その後ろから、笑顔のリーダー。
カメラマン「はい!取りまーす」
俺は昔の写真を確認する。
十五年前写真は、笑顔の翔さんと困った顔のリーダー。
(昔と逆だよ!)
カメラマン「櫻井君!もう一枚!」
S「はい!」
笑顔を作る翔くん。
(…ZERO……さぁてぇ…翔くんを本番までに、何とかしないと、MCが不安…)