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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第7章 記憶の風景


大野視点

A「わーなんかすごいねぇー」
 先を歩く雅紀が両手を大きく広げて、勢いで走っている。


(コケるなよ…)

M「テンション高!」

N「子供ですから(笑)」

 横を潤と和也が話しながら抜いていく。


(潤…背 高くなったなぁ…)

 三人の背中を見ながら歩いていた。


 少し道が上り坂になる所で立ち止って周りを見回した。



(ここ…覚えてる…)


 赤い大地と真っ直ぐの道、そしてパイナップルの畑の緑
 日本じゃない見えない風景がそこにあった。


(ここ来た…赤に黒…そしてずっと向こうまである緑…デビュー会見の事覚えいないけど…ここは覚えてる…)


 デビュー会見は、混乱して、なに言ったのか、どこにいるのか、全然把握できないうちに、話か進んで、『イヤだ』とは言えない雰囲気だった。


(確かぁ社長が『五人で歩いて…』って言われたよなー

それで…『こんな顔して!』『jump!!もっとsmile!!』みたいな、こと言ってたような気がする)


 ジャニーズ最後に最高のご褒美旅行
『可愛い弟たちと思い出が出来た』と、思って“覚えていたい”と思って見ていた。



 場所ハ違ウケド、似テイル…人ガ…建テタ物ノナイ丘…

 生マレモ、身分モ、違ウケド、コウヤッテ同ジ場所ヲ歩イテ…アノ木マデ…



S「さとし…くん…」
 翔くんの声が…おいらを呼ぶ。


「ん…」
 その声の方を向くと、大きな黒い目が見つめていた。


(相変ワラズ マッスグ見ルナァー…)
 懐かしい気がして、口元が緩んだ気がした。



M「なに見つめあってるの?」
 潤が茶化すような声で翔くんの背中の方から抱き付いてきた。


 潤の瞳は、おいらを見ていた。
 

A「次、翔ちゃんと俺だよ」
 雅紀が翔くんの腕をグッと掴んで笑っている。


N「大野さんは私とです♪」
 和也がおいらの体をを引っ張っていく。


(アー、今ハ…大野智なんだ…)

 変な納得感が心を満たしていく。
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