第88章 挨拶する人に原稿を
松本視点
N「いつまで 後悔に浸っているんですか?」
ニノが翔くんの背中に抱き付いた。
(後悔?)
S「ぉぃ…抱き付くなよぉ」
ピリッと空気が凍る声の翔くん。
(わ…超低音な声…)
A「おおちゃん どうしたの?」
相葉くんがリーダーに話しかけている。
O「…ふんじゃった…」
リーダーの声が小さいから聞き取りにくい。
(こっちもなに?)
相葉くんも声が小さくなっていく。
唇だけ動かして下を向いたリーダー。
(感度あげなきゃ…なんだろう)
N「確かに 可能性は 潰したかも」
ニノの声を聞き取れた。
A「…大丈夫だと思うよ?」
O「そぉ…?」
二人の声も聞き取れるようになった。
(ふんじゃった… 潰したかも… 大丈夫… … …)
パンっ! パンっ!
出来るだけ大きな音が出るように掌を合わせる。
四人が四人とも不思議と同じ顔で俺を見る。
(ふっ)
「さー 続いてやりましょう!」
相葉くんとリーダーの肩を抱く。
(なに 踏んじゃったのは 詮索しないけど…今は)
「あ・い・こ!」
手をグーにして軽く降る。
リーダーがクスッと笑った。
A「じゃ!」
相葉くんがグーの手を近づける。
(翔くんの気持ちが落ち着くまでに、決めることは決めておこう)
リーダーのグーも近づいてきた。
(では、相葉くんお願いします!)
目で合図をする。
A「あいこぉで!」
相葉くんの掛け声でタイミングを取る。
A「しょ!」
O「しょ!」
「しょ!」
一斉に出した手。
チョキ2つとパー1つ
A「やりぃ!」
ピースサインを高く腕を上げる相葉くん。
「オッシャ!勝った!」
チョキを大事に包んで振る。
O「えぇぇぇ~~ おいら負けたぁ」
リーダーが相葉くんの横で手を広げ膨れてる。
A「同じの出すからだよ」
広げたリーダーの手をチョキで切るように挟む相葉くん。
O「だってぇ」
広げた手を握って、相葉くんの人差し指を掴むリーダー。
A「やん」
リーダーの手から勢いよく逃げた相葉くんは、くるっと回転してニノと翔くんの方に走っていった。
(やんって何?)