第85章 バク転はまだ地雷だった?
櫻井視点
『ぽん』っとハモった声と五つの手が、グーが3つとパーが2つに別れた。
N「オシ!!」
「オシャ!」
勝ったのはパーを出した 俺と和也。
「イッェーイ!」
和也と勢いよく パンッ 良い音を立ててハイタッチをする。
A「くぅぅ」
歯を見せながら悔しがる雅紀。
ふうっと天を仰ぐ智くん。
自分の手を見る潤。
(へへ勝っちゃった🎵)
N「やったね!」
嬉しそうな和也。
「うん」(一回で勝つと気持ちいい!)
N「あ‥」
口を押さえて動きを止める和也。
「なに?」
N「いや…」
口を押さえて眼球を動かしている。
「問題?」
N「ぁ いえ ちょっと思い付いちゃって…」
口を押さえているのに、ニヤッと笑ったのがわかる和也の顔。
(何だよ…その顔…本当に)「演出かぁ」
N「はい。」
目も声も笑っている和也。
(頼むから…暴走すんなよ…するなら)
「潤に相談してね」
和也の肩に触れる。
N「えー あー わかりました」
少し不服な顔…そして検討、納得した和也が潤の方に行く。
聞き返している潤との回りに、小さき霊がキラキラ舞っている。
(ここなら、和也の好きなように演出できるよね…)
O「じゃ、バック転とかする?」
智くんがボソッと言う。
「え!(バック転!)俺 出来ないよ!」
あーっと口を開けた智くんが、ニコッと笑う。
O「翔くんはさっき勝ったから、除外でしょ?」
智くんが、少し声のトーンをあげ和也に問う。
雅紀とじゃれあっていた和也が雅紀を置いて走ってきた。
N「そうですよ。私と翔さんは対象外です」
(あ…やっぱり 演出の一部だったのね…)
「よかった。勝ってて」
胸に手を置いて息を吐く。
O「よかったね」
ふふふ と 柔らかい顔で笑っている智くん。
(智くんが やる? って言うからだよ…
ちょっと 頬 突かないで…
恥ずかしい…)
M「って事は。私は“しろ”っと言う事ですか?」
潤が声強めで話に入ってきた。
O「あっ!」
智くんがビックっと肩を揺らす。
「あぁ」(潤の事忘れてた…)
潤の眼力が上がる。