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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第6章 仕事へ 歩き出す


相葉視点

車から出て、周りを確認すると結構人がいた。

(わ!囲まれてるじゃん!!)


 口を押さえて、ピヨンピヨンしている人。


(あ!あの人…こっちに手を振ってる…ファンサしたら、喜ぶだろうな!)

先を歩く翔ちゃんに急いで追いつき小声で声を掛けようとした時、驚いて、声を飲み込んだ。

(翔ちゃん…怒って…る?)

何かを睨んだ様な目で、真っ直ぐスタスタ歩いていく翔ちゃんの歩幅を合わせて、横顔を確認。


(回りにたくさんの人がいるのに見ていない…見ないようにしているの?)


少し後ろの二人が気になる。


N「素直じゃないんだから…もう」
 ニノがリーダーの体を少し突っつく。

O「や、やめろよ」
 体をくクネラながら笑顔のリーダー。


(いいなぁー俺もそっちに行きたい)
  こっち、息が詰まるよぉ)

横を早歩きで歩く翔ちゃんと、楽しそうな二人をチラ見しながら心の中でため息を付く。


(普段だったら、みんなで手を振ってファンサするのに…
 今の翔ちゃんは『櫻井キャスター』なんだね…)

ZEROキャスターをしている時は、真剣な顔をする。

(このモードカッコいいけど、今じゃないと思うよ…

 ほら、あそこの人達不機嫌な顔してる…

『翔ちゃん』は爽やかな好青年のイメージが強いんだから…

 はー、俺には、そのキャラ無理だわ…

 でも、今の翔ちゃんを一人にしちゃだめだ。


 俺も『相葉さん』でいこう!

 ………………ん?

『相葉さん』ってどんなキャラだろ…?)



S「なに?」
 歩きながら俺に話しかけてきた『櫻井さん』。


「ううん…何でもないよ」
(今は…なにも言わない…相葉さんですから…)
ニコッと笑ってみた。


S「そう?ずっとこっち見てるから、
  何か気になる事でもあるのかなって思ったけど…
  時間無いから、急ごう!」

 すたすた歩いていく『櫻井さん』。



(大丈夫だと思うよ……

 そんなに、急がなくても、パイナップルは逃げないよ…)

心でツッコミながら、ついて行く俺。
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