第83章 魂を同じとする者
お嬢視点
黒きお姿から身を整えた宮様が和也さま方の側にお戻りになられて、私の心は浮き足だっている
(良い。非常に良い💕)
雅紀様が居て、和也さまと和寿様が笑っていて、モモ殿と潤さまが同じ場にお座りになっている。
(お嬢は幸せ者です)
宮{ははっっはっっはっはは}
和也様の肩で 変な拍子で笑う和寿様
(あ、和寿様が暴走はじめた、和也様にご迷惑を…)
N「もう いいですか?」
和也様の御声が冷たい。
(わー もう迷惑かけてるぅ せっかくの宴に影をもたらす事は速やかに 除きましょう…)
?『宮様 戯れが過ぎますよ』
その声が聞こえた瞬間 和寿様の動きが止まった。
声の主を確認する。
声の主様は 濃赤の袍を纏った凛々しき大人の方だった。
(大礼(だいらい)…の?どなた様かしら…)
宮{桃木…}
和寿様がゆっくりその方に向き合う。
桃『はい 宮様』
礼をしながら返事をする桃木様。
宮{今まで ドコにおった…}
桃『近く離れずの場所に控えておりました』
宮{お主は衣冠(いかん)を着て来るとは…}
濃赤の袍を扇子でなぞる。
桃『宮様も束帯(そくたい)をお召しではありませんか』
桃木様が 和寿様の肩をなでる。
宮{お菊が『着ろ』と うるさくて、仕方なくじゃ}
頬がほんのり色づく和寿様。
桃『よくお似合いです』
微笑む桃木様
(頬をお染めになって‥ 蜜なお知り合いなのですか?)
?『膨れるでない वानर(ヴァナラ)の娘』
私をヴァナラと呼ぶ声に体を向けると、白銀に神々しく輝く鳥が舞い降りてきた。
(この 輝きは…先ほどの白き鳥霊様の本来のお姿なのですね)
霊鳥の足元に、急ぎ駆け寄り、額を地にある。
{霊鳥スパルナ様
先ほどは、お背中に乗せていただき、ありがとうございます}
スパルナ{堅苦しい挨拶は ナシだ}
{しかし…}
スパルナ{…では}
輝く姿がゆっくり 白いオオムに変化していく。
鳥『この姿の方が接しやすいのじゃな?』
{私の為に?}
鳥『お嬢さんとは 仲良くなれそうでな🎵』
(この鳥様 軽いのかしら…)