第83章 魂を同じとする者
猴宮視点
目の前で相葉と櫻井がボソボソ話しているのを 悲し気な目で見つめてるカズナリに気が付いて
{マーはショウと何やら密談をしておるの}
少しカズナリの顔色を見ながら頭と足の天地を整える。
≪密談じゃねよぉ!あの二人には…俺たちとは 違うしがらみがある≫
カズナリは我にだけ見せる冷めきった目を見せる。
{怖い顔して追って…その 紙束に何を書いている}
カズナリの持つ紙の束を覗く
≪これは…≫
カズナリが答えようとした その時 我の前に御簾がかかった。
なぜにと 御簾の間からカズナリの方をみると
サトシがこちらを見て 微笑んでいた。
N「ちょっと! そのほほ笑みはなんですか!」
サトシに詰め寄るカズナリ。
O「ふふ かわいい」
とける様な顔で笑うサトシ
(この 御簾はサトシなのか?それとも…)
N「は?」≪かわいい? 誰が≫
明らかにふに落ちぬような声を上げるカズナリ。
御簾越しにカズナリに声を掛ける。
{かわいい とは カズナリの事だ}
≪声だけで、俺の周りをうろうくな≫
いつもの低い命令口調で 我に物申すカズナリ。
(調子付きおって、ならば…)
{怖いなぁ 御仁~}
御簾から己の意思で出てサトシの方に近づく。
カズナリが慌てて、我の衣を掴む。
≪あの人は ここなら ガッツリ猴っお前も見えるんだ!大人しくしろよ≫
サトシがカズナリに「頭ン中 言葉がグルグルしてるぅの 翔くんもニノもかわいいって思ってね」と肩をゆらしながら言う。
{御仁は、カズナリの何を思い出したのであろうなぁ}
カズナリの肩に顎をのせてカズナリにしか聞こえぬように話す。
≪そこで、話さないでください。微妙に肩が揺れて、気持ち悪いです≫
乗せている肩を小刻みに揺らすカズナリ。
{衣の上からでも、我の肌を感ずるか?}
ワザと顎に力を入れる。
≪キモいですよ やめてもらえますか?≫
小さい声で、我に文句を言うカズナリ。
{ははっっはっっはっはは}
変則的な笑い方で肩に振動を与える。
N「もう いいですか?」
カズナリがキレた。
(おお 声に出すとは、面白みがない…)
?『宮様 戯れが過ぎますよ』
声によって我の動きが妨げられた。