第80章 魂の宴　一瞬の交差

二宮視点

Ｏ「ああ　いい言葉だったねぇ」
　智さんが腕を組んで頷いていた。

（いい言葉？　しまった　聞き逃した！）

誰の発言かを確認しようと、メンバーを見る。


（マーくんは、大きく深呼吸しているし

　翔さんは潤くんに抱きしめているし…あ、潤くん逃げた）


Ａ「この宴で俺たち〝嵐〟は“元服した”ってことでしょ？」
　マーくんが腕を組んで話し始める。

Ｓ「雅紀はそう取ったんだ」
　ほうっと口を開けてマー君の方に体を向ける翔さん。


（元服？　話が全然見えないなぁ…）



Ａ「違うの？」
　マーくんから質問する。


Ｓ「この〝花〟を古代中国の成人儀礼‘冠礼’(かんれい)として考えると、その考えは正しい事になるよ
　　でもさぁ　３０超えて『元服』っていわれてもね…」
　ハイビスカスの髪飾りをさわりながら話す翔さん。


（ああ…　この祝福の事ですか…）


手帳を開いてかき込む。
（元服　さっきの文に混ぜれるかな？）


Ａ「実年齢は、仕方がないよ」
　クシャッと笑うマー君。

Ｓ「だなぁ　そっちは　したの？」
　クイッと顎を動かす翔さん。

Ａ「え？　あ　うん…中二の時にね…」
　マー君が下を向く

Ｓ「俺は『内々で』って…まの…」
　翔さんも声を張らなくなった。


（ちょっと　二人で話を完結させないでくださいよぉ）


｛マーはショウと何やら密談をしておるの｝

　胡坐を組んだ状態で天地逆になっている猴は、少しニヤニヤしながら胡坐をかいた状態で頭と足の天地を整える。


≪密談じゃねよぉ！あの二人には…俺たちとは　違うしがらみがある≫


｛怖い顔して追って…その　紙束に何を書いている｝

≪これは…≫
（そうか…挨拶っというか　お礼も…入れないといけないのかぁ）

　目の前に　言葉少な目に話している翔さんとマー君　目だけで二人を見ている潤くん。


智さんと目が合った。

　智さんは何も言わず　微笑んでいた。


「ちょっと！　そのほほ笑みはなんですか！」
ムッときたので智さんに詰め寄る。


Ｏ「ふふ　かわいい」
　とける様な顔で笑う智さん


「は？」（かわいい？　誰が…）


｛カズナリの事だ｝


≪声だけで、俺の周りをうろうくな≫