第80章 魂の宴 一瞬の交差
相葉視点
《Murugan konomamade iinndayo》
ムルガン コノママデ イインダヨ
大ちゃんの額の目がほんの少し動いた。
「ぅん」(naṭarāja(ナタラージャ)の言葉を信じるよ…)
O「なぁ せっかくの宴でしょ?笑って!楽しもうよ」
首を傾げて チャラ男風に笑う大ちゃん。
「ふふ」(やりなれてない笑い方して、可笑しいよ!)
S「逃げるなよぉ」
翔ちゃんの声が聞こえたから、そっちを向くと、すっぽり翔ちゃんの胸の中にハマっている潤ちゃんが、顎を上げ「逃げてないよぉ」っと言っていた。
S「さー 松本くんも挨拶文の案を出すのだ!」
ニシシと歯を出して笑う翔ちゃん。
M「精霊様からの“十五年の年月は 童より人に成長”とか、嬉しかったなぁ」
ちょっとモゴモゴさせながら言う潤ちゃん。
(さっきの巨大なマナからの言葉の事だね!)
O「ああ いい言葉だったねぇ」
大ちゃんが腕を組んで頷く。
「この宴で俺たち〝嵐〟は“元服した”ってことでしょ?」
S「雅紀はそう取ったんだ」
ほうっと口を開いて俺の方に近づく翔ちゃん。
(あれ?
“童より人に”って、大人にって事だよね?)
「違うの?」
翔ちゃんに真っ直ぐ質問する。
S「この花を古代中国の成人儀礼‘冠礼’(かんれい)として考えると、その考えは正しい事になるよ
でもさぁ 30超えて『元服』っていわれてもね…」
頭に輝くハイビスカスをさわる翔ちゃん。
「実年齢は、仕方がないよ」
S「だなぁ そっちは したの?」
クイッと顎が動く翔ちゃん。
「え? あ(元服のこと?) うん
中二の時にね(儀式)したよ
翔ちゃんは?式場借りたんじゃないの?」
S「俺は 内々でって 群馬の…家でね 雅紀は?」
「俺ぇ(俺はね)本邸にね『来い!』って(爺ちゃんに)呼び出されちゃった」
クスッと小さく笑って肩を上げる。
S「そう…お互い たいへんだったねぇ」
翔ちゃんも肩をなで肩にして、小さく呟く。
(俺の方はそうでもないけど
翔ちゃんの方が面倒くさいんだよね…色々準備あっただろうし)