第6章 仕事へ 歩き出す
二宮視点
ズゥーズゥー 翔さんの携帯が再び震えている。
S「はい……はい…わかりました」
「今度は何ですか?」
S「そろそろ、落ち着いてきたから、正面から入ってきていいって」
M「正面?…あ‥そこかぁ…」
外を確認する潤くん。
智専属「皆さん。今がいい時です。いってください」
パニックを避けたいスタッフたちがずっとタイミングを作ってくれていた。
M「じゃ、いきますか!」
潤くんが、キリッと松潤の顔になる。
S「じゃ、俺が先に歩くね。ついて来て!」
翔さんが、ZEROモードの顔になる。
(その“モード”違うよ!アイドルモードにしてよ)
普段なら突っ込むけど、さっきの智さんとマネが話していた内容が聞き取れなったから、このツッコミは保留している。
A「はーい」
重い空気を振り払うようにマー君が声をあげる。
(この人には、仕事モードを持ってほしいよ)
M「声が大きいよ!」
松潤の愛の鞭がマー君の頭をはたく。
A「イッタ!もう、はたかなくてもいいじゃん」
頭を触りながら、抗議するマー君。
S「いくよ!」
翔さんがあきれ顔で出て行く。
A「あ!待ってよ」
マー君が急いでついて行く。
M「ニノとリーダー先に出て!俺最後に出るから!」
松潤が手の平を上にして、外へ誘導する様に動かす。
「そうします。ほら。おじさんお仕事ですよ」
O「おじさん言うなよぉ」
少し膨れ気味の智さん。
M「翔さんが待ってるから♡」
なかなか腰をあげないから、潤くんが魔法の言葉を使う。
O「まってる?」
嬉しそうに体を浮かす智さん。
(今ですね!)
その瞬間を見逃さない。
「ほら、出た出た!」
体を包み込むように押して、車の外に出た事に成功。
O「押さないでよ」
照れたような顔をしながら歩き出す。