第6章 仕事へ 歩き出す
大野視点
車の中で、外の風景を見ていた。
カメラなどを持ったスタッフが数人。
パイナップル畑の方に入って行く。
(あっちから入るのかな?)
智専属「大野さん…もう…大丈夫ですか?」
運転席に座る橋本が小さく声を掛けてきた。
俺の専属マネ
橋本 千太郎(はしもと せんたろう)
口数が少ないから、存在感があまりない。
「…うん…ごめんね…」
体を起こして橋本の方に近づく。
智専属「姫から連絡来てました…」
橋本がジッとこっちを見ている。
「うん…また、助けてもらっちゃった」
肩をすくめてうなだれる俺
智専属「姫の役目でございます」
橋本はそっと俺の肩に手を乗せる。
ピピ
マネの胸ポケットの受信機から音が聞こえる。
「そろそろ?」
智専属「はい」
「わかった。仕事してくる…」
智専属「楽しんでください」
「うん。ありがとう…」