第73章 魂の宴 食べて飲んで 話して
大野視点
翔くんの困った顔と声。
自分の手がある所から、動いている翔くんの指までの色が〝紫〟
「ご、ごめん!!」
あわてて、腕を離す。
ちょっとホッとした表情をする翔くん。
「ごめん……大丈夫ぅ?」
(紫になるまで掴むって、なにやってんだ、俺…)
S「だ、大丈夫だよ ほら!」
翔くんが、オーバーに手を振る。
「でも! でも(こんな)」
血行がよくなるように、腕を擦る。
(無理しちゃダメ……ここでの怪我や痣は、魂に刻まれる
おいらは、翔くんをキズつけたくない)
S「ホントだよ!!」
信じて とばかりな翔くんが俺に言う。
(俺の大事なパールディ‥
君がサティのような事を『しない』ように…
『させない』ように………
君は…翔くんであってほしいんだ)
翔くんの腕に健康的な色に戻るまで、さする。
A「おーい♪」
相葉ちゃんの元気な声が飛んできた。
S「智くん。雅紀にそんな顔見せると、心配するよ?」
「そうだね…」
(相葉ちゃんの笑顔に陰を作っちゃいけないよなぁ…)
S「智くん!」
翔くんが名前を呼ぶから顔を上げる。
チュ
音と一緒に頬に柔らかい感触。
(え?)
S「潤に内緒ね?」
悪戯っ子のような目で笑う翔くん。
(なに…今…)
頬をそっと触る。
少しだけ湿っている。
(え…あ…えぇ…)
A「おーちゃん。見て 見て これね! あれ? どうしたの? 大ちゃん顔真っ赤!!」
相葉ちゃんが俺に何か見せてきたけど、俺の躰は、暑くて動けない。
テヘって舌を出して距離を取る翔くん。
(しょ、翔くん…ずるいよぉ)
A「ねー もう 酔ったの?せっかく ケーキのオーダーもしたのにさぁ」
ガバッと抱き付いてきた相葉ちゃん。
(あー うん お酒の所為にしよう そうすれば、笑いで済ませれる)
A「でぇ 本当にどうしたの? 翔ちゃんとキスしたの?」
抱き付いたまま相葉ちゃんが聞いてきた。
(キ キス!!)
A「ふふ 良かったね」
自分の事のように嬉しそうな相葉ちゃん。
M「騒がしいですけど? 何かありました?」
ニヤニヤしながら、俺をみる松潤。
(おまえ分かって、聞いてるだろ!)