第5章 懐かしさが溢れてくる
櫻井視点
開けてくれたカーテンの中には五体の洋服を着たマネキンが立っていた。
「おお!なんか、懐かしい配置だね!」
N「どうですか?」
ニコニコしながら和が近づいてくる。
「なんか、嵐ちゃん思い出すよ…」
(衣装をこんな形で、みると変な気分…でも、これなら、堂々と着れる!)
M「ニノが服を用意したの?」
N「ううん、ここ入ったらあった!セットにコレらあったから、持ってきてもらっただけだよ」
M「ふーーん…」
現場確認をしているような二人の会話を聞いていると
A「わー何か見たことあるような服だね」
対照的なラフな顔の雅紀が二人の話に入っていく。
N「覚えてますか?」
驚いている和。
A「『これ着ろ』ってジャニーさんに渡された気がする?」
少し首を傾げて思い出すように話す雅紀。
(覚えてるけど…自信ないんだね)
N「最後のハテナが無かったら『すごい』と言ってあげたのに残念です…」
残念そうな和。
(そんな顔するなよ、持ち味持ち味…)
O「同じ服?」
智くんが横のマネキンの服と触り始めた。
「まさか!」
M「さすがにそれは無理でっしょ!」
N「15年前の服だったら、プレミア物で高いよ」
A「スケスケより、レアものだよね」
テンポよく、言葉が飛び交う。
「確かに…」
自分の考えよりの早く、話が整理されていく。
五人は自然に目が合い、何も笑う言葉がないのに、笑い出した。
「はははははは」
ひとしきり、笑った後、一つ疑問に思った事を言ってみた。
「で、どこで着替えるの?」
四人は俺の方を向いていて沈黙。
「五人で着替えって平気?」
もう一度聞いてみた。
「いいよ」と雅紀が笑う。
「何を今さら…」と潤も、バックルをガチャガチャいわせている。
「いいですよ」と和がマネキンの服をはぎ取り始める。
智くんは、頭を少しかきながら、服を脱ぎ始める。
(え……あー決断ハヤ…)
テキパキと動き出す四人を見ながら、着ていたシャツのボタンに手を掛ける。
『YOU達の衣装ね。ほら、急いで着替えてきて!!』
着替えながら、社長の声を思い出す。
(そういえば……ホテルの部屋で急いで着替えたなー)