第5章 懐かしさが溢れてくる
二宮視点
M「カズが服を用意したの?」
潤くんの質問が飛んできた。
「ううん、ここ入ったらあった!
セットにコレらあったから、
(スタッフに)持ってきてもらっただけだよ…」
部屋の隅の衣装ケースを指さす。
M「ふーーん…」
(潤くんには気づかれたかな?
潤くんの質問は想定内だったから、用意できたけど、
まさかのミラクル発言に計画が崩れる所だった…
てか、マネキンを用意したのはあなたでしょ?
打ち合わせしたじゃん…)
O「同じ服?」
S「まさか!」
智さんと翔さんが仲良く服を触り始めた。
M「さすがにそれは無理でっしょ!」
潤くんもその二人の会話に自然と入って行く。
(潤くんは気づいても、流してくれるよね…)
翔さんの為って事で‘用意した’形を取ったマネキン
みんな、本番は平気なのに、リハはビビるんだよな…
俺もイヤだけど、
本番までに仕事がくるとはマネキンも思ってなかったでしょうね)
「15年前の服だったら、プレミア物で高いよ」
着せている服の柄を見えるように広げる俺。
(自然に、いつもの感じで、じゃないと、面白くない!!)
A「スケスケより、レアものだよね」
マー君が僕にニカッと笑って言った。
(そういうミラクル発言は、大歓迎です!!)
S「確かに」
翔さんがマー君のコメントを拾う。
コミカルな会話をしていると、自然に目が合い、何も笑う言葉がないのに、笑い出した。
「はははははは」
「ひゃはは」
(そう! これだよ!
俺たちは、笑っていないと…
せっかく『祝福』も、もらえた…
楽しいハワイにしないと、ね…
翔さん…)
五人はひとしきり、笑った後。
S「で、どこで着替えるの?」
翔さんが困った顔で聞いてきた。
質問の意味がわからなくて、マネキンの前で少し沈黙。