第1章 嵐がハワイに上陸
相葉視点
N「よかったです。無事来てくれて…」
ニノがホッとした顔のカズになっていう。
「カズ!」
(それ、ダメって言ったじゃん?いいの?俺我慢したのに!!)
何の前触れもなしにカズが話し始めたから、驚いて言葉にならなかった。
M「なに?なんかあったの?」
松潤のトーンが下がった。
たぶん、俺が“ニノ”でなく“カズ”と呼んだ事で切り替わったんだと思う。
カズ…メンバーだけの時、二宮和也を呼ぶ呼称。
あまり意識してないけど、翔ちゃんが『切り替えうまいね』って言ってた。
N「潤くんは、気にならなかった?
今。チーフもマネもいない車に四人がいる事…」
M「………」
目だけで、俺を見つめる松潤。
ちょっと睨まれたような気がした…
そして俯いている大ちゃんをみて、カズと見つめ合う。
N「だいぶ不足なの…」
カズはボソッと言葉をこぼす。
松潤がフーと小さく息を吐くと、ニコッと笑う。
(あれで、わかるの?
松潤すごいなぁ…俺…あれじゃ わかんない…)
下を向いている大ちゃん。
(カズが松潤に言ったんだから、いいよね…)
(リーダー?あのね…)
大ちゃんの反応がない。
(ガーンやっぱり、話したくないんだ…
ん?
違うか…声が出てない…のか…ふー…言葉にしないと…)
「お腹空いてない?これ食べる?」
シリアル入りのチョコ菓子の袋を取った。
O「あ…うん。もらう」
お菓子を一つ撮んで、口に入れる大ちゃん。
(食べた…)
警戒している時には、差し出した物を食べない大ちゃんが手に取ってくれて、口に入れてくれた。
それだけで、気持ちが落ち着いてきた。
M「15年イベント成功させようね。リーダー♡」
潤ちゃんお得意の甘えた笑顔。
O「う~…そうだね」
大ちゃんが笑った。
(おれ、嵐のメンバーでいいんだね…)
心から笑えた。