第5章 懐かしさが溢れてくる
松本視点
翔さんと話をしていると、チーフの声が聞こえた。
チーフ「衣装は、そのカーテンの中だ!鍵。ちゃんと掛けとけよ」
扉を閉めるチーフ。
A「はーい」
小走りに走ってきてスチール扉の内鍵を掛けていく相葉くん。
「翔さん開けて!」
(さぁ♬ニノのサプライズを見ようじゃないか!!)
S「あーうん」
翔さんがカーテンをシャーッと引っ張る。
カーテンの中には五体のマネキンが衣装を着て立っていた。
S「おお!なんか、懐かしい配置だね!」
翔さんがニコニコの顔でマネキンに近づく。
服装はハワイっぽいTシャツとパンツ。
(見覚えがある…デザインとかデビュー会見の時の衣装だな)
N「どうですか?」
ニコニコしながらニノが近づいてくる。
(あの後、相葉くんとこんな事していたのか…)
S「なんか、嵐ちゃん思い出すよ…」
翔さんが、マネキンのTシャツを優しい顔で触っている。
「ニノが服を用意したの?」
N「ううん、ここ入ったらあった!
セットにコレらあったから、持ってきてもらっただけだよ」
あっけらかんと、部屋の隅の衣装ケースを指さすカズ。
「ふーーん…」
(確かにマネキンは用意してたけど…うまく、ごまかしやがって…って事は…)
周りをさりげなく見回す。
(なにかあるねー…まー気が付いても、気づいてないふりしておこう(笑))
A「わー!何かぁ見たことあるような服だね」
ニノの後ろからニコニコ顔の相葉くんが話に入ってきた。
N「覚えてますか?」
驚いているニノ。
(あれ?一人で準備したのか?)
A「『これ着ろ』ってジャニーさんに渡された気がする?」
少し首を傾げて思い出すように話す相葉くん。
(なぜ、自分の思い出が疑問形なのか、相葉くんの思考回路は、未だ理解できない…)
N「最後のハテナが無かったら『すごい』と言ってあげたのに残念です…」
残念そうなニノ。
(だよなぁ…残念だよ…)