第5章 懐かしさが溢れてくる
二宮視点
M「電源は専用のバッテリーだって」
S「ほー」
M「コンサートの裏に、こんなコンテナがあと何台か積んであるよ」
S「マジで!!」
M「その中に、俺ら専用のシャワーとトイレのコンテナと食事が取れるヤツ。あと事務的な施設ね」
(あっちはあっちでうまくいっている…あれ?智さんが…)
さっきまで潤くんの後ろにいたはずの智さんがいない。
(あ……チーフと話しているか…)
振り向くと、階段の一番上にチーフ、ハウスの内側に智さんという位置で話をしていた。
チーフ「…だに、感謝だな…」
O「はい…」
チーフ「迷うなとは、言わないが…信じろ…な…」
O「はい…」
(お説教…でもなさそう…)
智さんとチーフの会話に意識を向け始めると、チーフは話を止めた。
(気づかれた…)
チーフ「着替えたら声かけろよ!」
チーフが階段を下りて行こうとする。
O「チーフも中に入れば?」
智さんが引き止める。
チーフ「誰かが、外にいないとな!」
O「確かに…」
下を向く智さん。
「チーフが心配なら、さっさと着替えて、ドールに行こう」
また気持ちが沈まさないように、智さんの服の裾を引っ張った。
O「ニノ…」
「了解です。急いで着替えてきます」
智さんの顔を確認するより先にチーフに声を掛けて、三人の方に引っ張って行く。
チーフ「衣装は、その衣装ケースの中だ!鍵。ちゃんと掛けとけよ」
扉を閉めるチーフ。
A「はーい」
小走りに走ってきてスチール扉の内鍵を掛ける。
(効果切れですか?…まぁ補助魔法だし、カウントも取ってなかったしな…)