第64章 虹の道を歩きながら
櫻井視点
A「うー…いろいろ…」
一番に目があった、雅紀が少し遠くを見るような目で空を見上げた。
M「え? 相葉くん なに考えていたの?」
その反応に、ニヤニヤ顔の潤が、雅紀の頬をつつく。
遠い目をしていた雅紀が、いつもの雅紀に戻って「俺だって、考え事ぐらいするよ」と潤の指を掴んで抗議を始まる。
指を掴まれ、驚きと一緒に嬉しそうな顔をする潤。
(誘導成功って顔してるよ)
A「ね♡ 大ちゃん♪」
雅紀は潤の指を掴んだまま、智くんにに話しかける。
O「そうだぞ!
雅紀だってちゃんと頭働いてるんだから!!」
智くんも この乗りに乗っかった感じで、雅紀のドットコムの真似をするように、人差し指で自分の頭をトントンしはじめた。
智くんの行動を雅紀は嬉しそうに頭を振っていた。
「いや『頭を働かす』と『考える』は 違うと思うよ」
智くんに声を掛けるけど、智くんは取り合ってくれない。
(俺の 質問 消えてるし…
別に ガッツリ聞きたいワケじゃないけど)
「もう 言葉の意味と、行動が、違う…はぁ なんかぁ…」
心の声がこぼれる。
N「私も同感です…」
ニノの声がしたから ニノを見る。
ニノが同じように項垂れてくれた。
M「あのー 相葉くん いつまで俺の指を掴んでんのさ?」
潤が笑いながら雅紀に言う。
A「ツンツンしないなら 放して上げる!」
ふふんと、顎を上げて笑って見せる雅紀。
M「なにぃ その上からな発言! 離さなくても、こうすれば!」
潤が目を大きく見開いて、掴まれた指を腕の力で浮かせる。
浮いたから 脇が見える。
M「コチョコチョ!!」
その脇に掴まれていない手を入れて擽り始める潤。
A「ひゃぁあぁ!」
潤の素早い身のこなしに 対応遅れてしまった雅紀。
指を離して 体ごと潤から離れる雅紀。
M「ふふふふ 俺に勝てるとおもうなよぉ」
悪い顔して笑う潤。
A「くーーー」
悔しそうな雅紀。
ふふと笑っている智くん。
(楽しそう…)
N「翔さん 花の言葉は自分の心に残していればいいんですよ」
ニノが独り言のように小さく言う。
「そうだな その方がいいって 俺も思ってきた」