第61章 自分を自分で 後半
二宮視点
〝再び 我が元に 舞い降りた者達に 新たな祝福を 与える〟
岩の上から星屑のような輝きが‘俺たち’に振ってきた。
‘俺’は沢山の輝きを集めるため手も腕も大きく広げる。
(貪欲な顔してるなぁ…)
その輝きにはそれぞれの力の波動を感じる。
(この輝きのどれかが アイツのだったのかな…)
飛んでいる輝きを人差し指でトンと突いてみた。
その光が黄色いハイビスカスのクルクル回転する。
〝その花を身に着け 宴にくるがよい〟
魂(マナ)から再び‘声’が出る。
N「宴?」
首を傾げる‘俺’に水干を着た子供が抱き付いてきた。
(猴?あんな感じだったか? もっとデカかったようなぁ…)
N「ありがとうございます 身なりを整え、また 御前(ごぜん)に参ります」
頭を下げて返事をする‘俺’。
魂(マナ)の輝きがここに居る10人を包む。
〝器に休息を 魂に祝福を〟
そのまま地表にフワッと降りていく‘メンバー’
{嵐さま……そろそろ}
メネフネが大野さんに声をかけてきた。
O「わかった。いこうか」
大野さんが頭上の虹に向かって動き出した。
S「うん」
翔さんがそれに続く。
M「あぁ」
潤くんもスーッと雲を動かす。
A「そうだね♪」
マー君もクルッと回転して、この場所から動きだす。
(俺はもう少し 自分を見ていたい…)
雲に乗って‘俺’について行く。
O「みんな…花を貰ったんだねぇ」
‘大野さん’が鼻を触りながらほほ笑む。
M「もらった」
大事そうにその花を両手で持っている‘潤くん’。
(ふふ みんなの顔が柔らかくなった)
A「チーフ!ただいまぁ~」
‘マー君’が手を振りはじまる。
N「そんな大声出さなくても、聞こえますよ」
怪訝そうな‘俺’がその横に居る。
(あれ?翔さんは)
歩いて帰っているメンバーの中に翔さんが居ない。
‘翔さん’が花を見ながら歩いている。
N「翔さん…」
‘俺’が声を掛けてたけど返事がない。
‘大野さん’も‘翔さん’を目で追っている。
「和也 行くよ」
急に誰かが、俺の手を掴んできた。
手から感じたリアル温かさにビクッと体をさせ、勢いよく振り向いた。