第61章 自分を自分で 後半
松本視点
(岩!!)
その圧倒的な存在に鳥肌が立った。
俺の隣に‘俺’も鳥肌を立てながら立っていた。
{ボスぅ}
ふぁっと大きな尾が俺と‘俺’を包む。
M「…温かい」
目を閉じる‘俺’。
(ああ モモの尻尾はどんなものより温かいよ)
触ることも 話すこともできない自分を見て、自然と顔がほころぶ。
七色に大岩が輝くと、さっきの優しい声が聞こえてきた。
The new blaze which budded for you.
訳 あなたのために 生まれた新しい輝き
The route which isn't ashamed in the name, steps
訳 その名前に恥じない歩む道
For the persons who have flown down to my dimension again.
訳 再び我が元に舞い降りたモノに
A new blessings is given.
訳 新たな祝福を与える。
‘俺’は優しい声を目を閉じて聞いていた。
‘俺’の胸のあたりに星屑のようなキラキラが集まり、花の形に変わって行く。
When coming to the feast, please put on a flower.
訳 その花を身に着け 宴にくるがよい
‘俺’は、そっと両手で掬うように花を包む。
‘俺’の手の上で輝きが落ち着くと、紫色のハイビスカスになっていた。
(俺の花はこうやって出来たのか…)
そっと自分の花を触る。
{Believe the tone to the prosperity and feel the fragrance in the sound.
訳 幸福へ向かう音を信じて、音色に香りを感じなさい
With a person with the same wish.Advance together}
訳 同じ願いを持つモノと 一緒に進め
(そんな事言われなくても)
スーーー
大きく鼻から空気を思いっきり吸い込む。
ハーー
ゆっくり 口から息を吐く。
(この『メンバーのいい匂い』と『嵐の音』は絶対に見失わない!)