第58章 〝クカニロコ〟を歩む二宮
ユーカリと椰子の木の中に複数のバースストーンが見えてきた。
そのまま進むと絶え間なくふく優しい風と、ユーカリの香りが広がる心地良い場所にでた。
「ここがクカニロコか…」
感じた事の無い独特の霊力が満ちていた。
(さすが女性の聖地…俺たち男性が入って良かったのか、不安になるよ)
バースストーンの中央に虹色に輝く大岩が圧倒的な存在を放っていた。
その大岩の魂(マナ)から英語の‘声’が聞こえてきた。
I was waiting
The route which isn't……
(分かるけど…メッセージの言語選択を変えよう!)
≪日本語にして!!≫
俺の‘声’で マナのメッセージが聴きなれた日本語に変わる。
〝汝(なんじ)に 新たな輝きを 芽吹くのを 待っていた
与えられし その名に恥じぬ道を歩み
再び 我が元に 舞い降りた者達に
新たな祝福を 与える〟
岩の上から星屑のような輝きが俺たちに振ってきた。
その輝きにはそれぞれの力の波動を感じる。
(これは武器になる…)
両腕を大きく広げた。
(貰える力はありがたく全部貰う!
俺の望みを叶えるためには、いくらだって力がいる)
グッと手を握ると、胸の前で、輝く光が現れた。
その光が黄色いハイビスカスの花になる。
(黄色いハイビスカス?)
{You accomplish your magnificent request by a decided thing.}
訳 貴方の壮大な希望は あなたが決めた事で成就する
輝く花は言うだけ言ってクルクル回転する。
(英語でメッセージって事は…これは、別の力なんだな…)
〝その花を身に着け 宴にくるがよい〟
魂(マナ)から再び‘声’が出る。
「宴?」(もう 俺たちには…)
{アチラには用があるようだぞ}
理解者の助言が聞こえる。
理解者のアチラという方を向くと、複数の魂から、好意ではないオーラを感じる。
(ほぉ 器を置いて来いってか…なるほど…)
「ありがとうございます 身なりを整え、また 御前(ごぜん)に参ります」
頭を下げて返事をした。
好意でないオーラは感じなくなった。
(よし ここは これでいいな)