第58章 〝クカニロコ〟を歩む二宮
S「あ、僕もチーフに謝らなきゃ…」
翔さんが話しに入ってきた。
チーフ「櫻井はいい。
お前にはかなり、きついスケジュールを組んでいる。謝るのはこっちの方だ」
チーフが翔さんに優しく言う。
(チーフは本当に、翔さんには優しいよなぁ…)
S「でも…」
翔さんがブツブツ呟いている。
(仕事の合間を縫って、色々あるんでしょ?)
M「チーフが言っているんだから、そうゆう事だよ」
A「そうそう!!」
嵐のノッポ二人が翔さんの肩を叩く。
(ふふ。二人に言われたら 翔さんもこれで… ん! !!)
空から複数の視線を感じる。
慌てて空を 見上げ確認する。
≪理解者!この視線はなんだ!!≫
{敵意はない 傍観者の類(たぐい)だ 数は5 後は小さいのが複数}
(敵意が無くても数が多いと、何かと面倒だな)
「じゃ、さっさと行きましょ?」
大野さんの背中を押して動く合図をする。
(今は この人を守らなきゃ…)
チーフ「場所はいけばわかる…」
チーフの声が小さい。
(チーフも気づいているのかな?)
A「はーい!」
M「いってきます」
マー君と潤くんが肩を組んで進みだした。
(二人が先導してくれるんですね)
「ほら、大野さん行きますよ…」
なかなか動こうとしない大野さんを強く押す。
大野さんは翔さんを気にして動こうとしない。
(ほら、あなたが動かないと、翔さんは動けないの)
グイグイ押す
O「う、うん…」
やっと動き出した大野さん。
それと同時に歩き出す翔さん。
動き出した俺たちに沢山の小さな精霊たちが集まって布へ変わっていく。
(布…
あぁ 古代ローマの『トガ』のように体に巻きつけるタイプの正装かぁ)
大きな2つの岩辺りから足元が浮きはじめる。
両脇に左右対称18個ずつの岩を並ぶ 参道を進む俺たち
その岩の上には、それぞれの魂(マナ)が様々な色を放ちたながら見ているだけで、何も行動しない。
(チーフが言ったように『許可』ってこれだな)
{ Welcome }
目で確認すると、花たちが嬉しそうに揺れる。
(花の歓迎か…悪くない でも…)
≪声をかけるな≫
低い翔さんの‘声’が小さく聞こえる。
(翔さんも警戒中なんだ…)