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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第58章 〝クカニロコ〟を歩む二宮


二宮視点(昼間)

チーフ「急に来てもらってすまないな。スケジュールの隙間はココしかなかった」
 チーフが話し始めたからそっちを向く。


M「俺たち五人って、本当に五人なんですね」
 周りを見回して、スタッフやカメラを探す潤くん。


チーフ「ああ。ここがどこかわかるか?」
 チーフが片手を少し振って周りの風景に注目させる。


S「〝クカニロコ〟ですよね」
 即答の翔さん。


チーフ「そう。精霊が住む聖地『クカニロコ』だ」
 大きく頷くチーフ。

 翔さんとチーフが見つめ合う。


(なんだ?話が進みそうにないな…)
「はい!ここで何するんですか?」
(ココはストレートに話を進めよう…)

チーフ「この奥に一番大きな聖跡がある。
   そこに行き。15年間の守護のお礼と新たな導きを貰ってくるように」

(お礼? 精霊に会えってか?五人で?)

A「チーフは来ないの?」
 マー君がチーフに質問する。

チーフ「行かない。いけない…この先は王族に属さない者は入れない聖域…」


(じゃ、誰が先導するんだよ)


M「俺たち王族じゃないし、日本人だよ?いいの?」
 潤くんが不思議そうな顔をする。 

チーフ「大丈夫だ。ちゃんと許可を貰っている…」

A「撮影は?」
 マー君も不思議そうな顔をする。

(は?仕事だと思ってるの?まったく…)
「どう見ても。ないでしょ?
 望遠カメラか、ヘリでも飛ばさないと、撮影できませんよ」
両手を広げるアピールする。


A「そうだねー」
 空を見上げているマー君。

チーフ「ドールの撮影の時間まであまりない。ほら、さっさと行く!!」
 チーフが言葉はいつもの言葉だけど、妙に優しい声色で奥に誘導する。


(今なら 穏便に…)

「大野さん…今がチャンスです」
大野さんの背中をグイグイ押す。


 大野さんが『うん』と小さく呟いて、チーフの方に走って行く。

O「昨日は…その、わがまま言ってすみませんでした」
 頭を下げるという、ものすごくシンプルな形で謝罪した大野さん。


チーフ「いいよ…あれはイレギュラーだ…仕方がない事…大野がハワイに来てくれただけで、もうその話は終わりだ」
 大野さんの丸めた背中をポンポンと叩くチーフ。
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