第57章 自分を自分で 前半
松本視点
雲に乗ってゆっくり、歩いている俺たちの近くまで行く。
チーフ「場所はいけばわかる…」
A「はーい!」
M「いってきます」
‘俺’と相葉くんがどんどん先に進んでいく。
N「ほら、大野さん行きますよ…」
ニノがリーダーの背中を押しながら進む。
O「う、うん…」
チラチラ翔くんを見ながら歩くリーダー
翔くんは足取り重く歩き出した。
歩く‘俺たち’の服装に沢山の小さな精霊たちが集まって正装に変えていく。
(へー あんな 感じに服が変わるのかぁ)
メネフネの注意事項を守って、声を出さずに、時間軸の違う自分やメンバーを見る。
翔くんがさり気なく後方を見る。
(後ろ?)
俺も歩くメンバーの後方を見る。
後方には‘俺たち’を見送るチーフが深々と頭を下げていた。
(チーフが頭を下げる!!滅多にしないレア行動…)
{ Welcome }
咲いている花の方から声が聞こえる。
(俺に言ってるのか?)
翔くんが微笑みながら手を軽く降ると花たちは嬉しそうに揺れる。
(翔くんに言ったのかぁ)
{…じ?}
翔くんの肩に小さな輝きが見える。
≪一人になるまで、声をかけるな≫
低い翔くんの‘声’が響く
俺の躰が、反射的にビックと強張る。
(一緒に歩いている‘俺’は平気そうだ…)
雲に乗って そーっと‘俺’に近づこうとする。
しかし、近くに行こうとすればするほど‘俺’が小さく遠くなっていく。
(どうして 近くに行けないんだ!!)
少し足に力を集める。
(俺 どこ行った?)
雲のスピードは俊敏になったが‘俺’を見失ってしまった。
そして、自分が白いモヤの中にいるような空間に一人だと気が付く。
(おいおい ココで迷子ってヤバくねーか?)
ここには、メネフネたちがいないから現在位置が分からない。
(どう…しよう…… ……)
乗っていた雲にも、精霊は乗っていたない。
(そうだ!)
≪モモ! モモ! 側に来い!!≫
思いっきり大きな声で モモを呼んだ。
I was waiting
モモではない‘声’が聞こえてきた。
声のした方に意識を向けると、白いモヤが一気に消え、大きな一枚岩の前に立った。