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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第57章 自分を自分で 前半


櫻井視点

 智くんがゆっくり考えながら、下りている。
 三人はバラバラに雲の乗り心地を楽しんでいる。


(俺は、滅多にない体験を堪能しよう!!)

雲を滑らして‘俺’の側に行く。



チーフ「15年間の守護のお礼と新たな導きを貰ってくるように」
 見えている木の間の方を指さすチーフ。

A「チーフは来ないの?」
‘雅紀’が首を傾げながら聞く。

チーフ「行かない。いけない…」
 小さく頭を振るチーフ

(ああ もう“ぶっち”な顔になってる…)

チーフ「この先は王族に属さない者は入れない聖域…」
 口ごもるぶっち。

(兄貴な“ぶっち”の顔を客観的な角度で見るのって新鮮だな…
 それにしても、俺の顔 なんて 顔してるんだよ…)

完全に何も反応を見せない‘俺’

(放送に乗せれない顔してるよ。くくっ)


M「俺たち王族じゃないし、日本人だよ?いいの?」
‘潤’が正論の質問を“ぶっち”に向けている。


チーフ「大丈夫だ。ちゃんと許可を貰っている」


‘ニノ’がコッチを見て、睨んだ。

(んぅ あっちから俺が見えるのか?)

 少し周りを確認して「さっさと行きましょ」と‘智くん’の背中を押して歩くように促す‘ニノ’。

(感覚の鋭いニノには 時間軸の揺らぎも感じ取れるのかな? 凄いヤツだ)

O「う、うん…」
 チラチラ‘俺’を見る‘智くん’。

(わー 心配されてる…ごめんなさい 以後 気を付けます)

昼間の智くんに片手を立てて謝り、上をゆっくり降りてくる智くんに頭を避ける。

‘俺’は超不機嫌な顔で皆について行く。

自分の機嫌に苦笑する。

 精霊が集まり始めた頃から、両腕を自分で摩り出す‘俺’

(ざわつく時って気持ち悪いよな)


 ぶっちの方を気にする‘俺’

俺も、ぶっちを見る。
(ぶっち 俺は 自分の〝花〟を咲かす。飛び切りすごいやつをな!!)

 深々と頭を下げるぶっちに親指を立てる。


{そのような事しても 伝わりませんよ}
肩に、桔梗が乗る。

(気持ちの問題だよ)
声を出さずに、心で言葉にする。

{そうなの?まーいいけど…}


≪一人になるまで、声をかけるな≫
 低い声で命令を出す‘俺’。

{ヒドい言い方!}
耳をギュッと握る。

(痛い。声出ると面倒になるから、やめてぇ)

桔梗の方に“ごめん”のアピールをした。
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