第56章 ちょっと 寄り道
松本視点
「あぁれぇ~🎶」
ちょっとだけふざけた声を出す。
翔くんが肩を揺らして笑っている。
わくわくが駄々漏れの相葉くん。
ヤレヤレというような顔のニノ。
虹の上で感じていた、好意的な匂いが姿を現して来た。
(先導のメネフネだけじゃないと思ったけど、結構いたんだなぁ)
みるみる内に、俺たちの周りに沢山の小人たちが飛んでいた。
{melemele 心配ない}
黄色い布を纏ったメネフネが大きく顔を横に振ってニノに話しかける。
(ニノ?なにか心配事があるのか?)
{メネフネのアヌエヌエに乗ってる者 特別!!問題ない}
ニノの周りにメネフネたちが集まっている。
N「問題ないねぇ」
ニノが少し困った顔をする。
{くふふ メレメレ 心配症 ここ シワ}
和也の額をペシペシ叩く黄色い布を巻いたメネフネ。
A「この人は和也っていうんだよ!」
相葉くんが『面白くない』って顔でメネフネとニノの間に入ろうとする。
(物理的に無理だろ…)
A『メレメレ ちがう かずなり!』
相葉くんががメネフネぽく話す。
S「雅紀。melemeleは ハワイ語で黄色って意味なんだよ」
翔くんが即座に補足を伝える。
{そうだ お前は 'ōma'oma'oだ}
緑色い布を巻いたメネフネが胸を張って言う。
A「おーまおまお?魔王みたいだね?」
俺に向かってニカッと笑う。
「ははっ 相葉くんの発想はいつもビックリするよ」
(おーまおまおで、まおう…なんか早口言葉みたい…)
じわじわ可笑しくなってきた。
A「翔ちゃん?おーまぉまおってどういう意味?」
俺の行動は触れずに、翔くんに話しかける相葉くん。
(拾えよぉ)
S「緑だよ」
またもや即答の翔くん。
S「ちなみに 赤が'ula'ula。オレンジがalani。melemeleが黄。'ōma'oma'oが緑。uliuliが青。poniが紫 これが ハワイの虹の色 だよ」
翔くんは いつもの得意げな顔を見せる。
「でた 翔さんメモ」
ニヤッと笑う。
S「なんなら 虹を作ったメネフネの絵本読んでやろうか?」
翔くんが『ふふふふ』と笑っている。
(勘弁してください)
「それは また 後日 時間がある時にでもって事で!」(許してくださいよ)
小さく頭を下げる。