• テキストサイズ

虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第55章 虹の上から 見る


櫻井視点

視線を感じて目を動かすと、ガッツリ智くんと目が合った。

(わ!見つめられてるよ!)

智くんがちょっと不安そうな目で俺を見る。

(俺は…今のままでいいんだ。これ以上望んだら崩れていく)


智くんの視線から逃げるように、足元を見る。


虹の輝きの間から、下に広がる赤い大地が見えた。
良く見ると、黒い車から人が出てきている。

「あ!!」
立ち止ってしまった。


「「「「なに?」」」」
 三人の声と視線が一遍に俺に向く。


O「どうしたの!!」
 智くんが覗き込んできた。


(あ…えっと)


O「翔くん!下みちゃダメ!」
 慌てた声の智くんが俺の顔に手を持っている。


「智くん(それすると)見えない…」
足元が揺らぐ。


(ヒィ 止まっちゃたから!足元が!! ココから落ちたくない!)
少しだけ背中に力を入れる。

(ィタ……無理か…)



O「下 見たら、足すくむよ!」
 智くんが支えてくれる。


「いや、それは大丈夫。
 みんなと手繋いでるから(落ちないはず)


 じゃなくて!智くん 下 見て、俺らがいる…」
智くんと繋いでいる方の手の指で、下を指差す。


M「あぁホントだ!俺がいる!」
 潤が確認してくれた。



{どうなされました?}
先導のメネフネが俺たちに声をかけてきた。


≪問題ない。道を進めてくれ!≫
彼らの仕事の妨げにならないように‘声’を使った。

O「ごめん!」
 智くんがグッと抱き付いてきた。

(さ 智くん!?)
みんなの前で抱き寄せらて、固まってしまった。

O「下に自分たち見つけちゃって、足が止まったの!すぐ出発するから!!」
 智くんが普通の声で周りに居るメンバーと小人たちに言っている。


(あ…‘声’を使う必要なかった…

 ハワイの小人族のメネフネ。手先が器用かつ働き者で、中でも石の建造物建築が得意。

 身の丈60センチほど。ガッチリとした身体つきで、本来は山奥や森の奥深くに住む

 俺たちの中庭を作る時に手伝ってくれた彼らの事 みんな知ってたね)


O「じゃ!行ってみようよ!」
 智くんが目をキラキラさせて言う。


(あなたが行くなら ドコにだって行くよ…)
/ 693ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp