第55章 虹の上から 見る
松本視点
N「あの二人ってさ 自分たちより上位からの命令…いや…違うなぁ…
『勧め』みたいなモノがないと…動けない…
だから 俺たちだけでも…意思表示してあげないと…」
相葉くんの肩に頭を押しながら左側の二人を見ているニノ。
(確かに…自分達より…俺たちを優先するからなぁ…)
A「でもさ…」
相葉くんが考え込んだような声をこぼす。
その相葉くんの顔にはいつもの笑顔が無い。
(いま…何考えてるの? たまに目が怖い時あるんだよなぁ)
N「マー君は先に進みたくないの?」
泣きそうな声で言うニノ。
ニノの反応に慌てる相葉くんが「この幸せが続くなら、続けたいね」とあわふたしながら言っていた。
(ニノは上二人の事になると…異常に感情的になるなぁ
あの時だって…ケッコウ きわどい態度だった…)
S「あ!!」
いきなり翔くんが大きな声を上げた。
A「え!なに!」
ビックリして翔くんの方を向く相葉くん。
ニノも同じように叫んで翔くんの方を向く。
そう言う俺も同じ反応をした。
O「翔くん!下みちゃダメ! 足すくむよ!」
慌てた声のリーダーが翔くんの顔に手を持っている。
S「下 見て、俺らがいる…」
下を指差し合図する翔くん。
(俺ら?)
翔くんの指さす方を見る。
虹の道の隙間から赤色大地が見える。
(あれって クカニロコじゃないか?)
アスファルトの道に止まっている車から出てきた人の中に俺が居た。
「あぁホントだ!俺がいる!」
{どうなされました?}
先導していた小人が俺たちに声をかけてきた。
O「ごめん。
下に自分たち見つけちゃって、足が止まったの!すぐ出発するから!!」
小人に返事をするリーダー。
{側に下りますか?}
小人が下界に広がる 赤い大地を指さす。
A「行けるの?」
目が輝く相葉くん。
{はい。ですが、コチラと時間軸が異なりますゆえ、声掛けはお止めください}
ニコッと笑って答えた。
O「じゃ!行ってみようよ!」
リーダーが翔くんから離れて声を上げた。
A「オッケイ♪」
相葉くんもリーダーに追随して、俺とニノを引っ張っていく。
N「あ!ちょっと…」
ニノが相葉くんの行動を止めようとするけど、動き出した天然素材は止まらない。