第50章 俺は 三兄だよ
カズが歩く足は止まりそうになるくらいの勢いで詰め寄って、俺の手を擦りながら 怒ったような?泣きそうな目を見つめてきた。
だから、カズの目を見ていた。
M「結婚かぁ
そうだな!そろそろ、ちゃんと腹くくらないとなぁ!」
キリッとした男前松潤がニノの肩を後ろ歩きしながらポンポンと叩く。
(潤ちゃんは もう腹をくくったの?ニノも…誰かいるの?)
何度もニノと潤くんを交互に見る。
N「そうねぇ“和子”も三十過ぎたし…結婚したいなぁ」
ブリっこ“和子”で俺を見上げる。
「え?」(なぜ?和子?)
N「お前はしたくないのか?」
再び詰め寄ってくるカズ。
(カズ…に戻ってる?)
カズが睨む。
「けっ結婚?えーっと…その…」
(急に現実問題 持ってこられても、翔ちゃんじゃないから、うまく言葉にできないよぉ)
近くにいる潤ちゃんに助け船を貰おうと顔を向けると、
今にも笑い出しそうな顔で、必死に唇をつむっている潤ちゃんが見えた。
(わー最悪 潤ちゃんが笑うのを我慢してる…)
潤ちゃんが急に俺の顎を掴む。
M「マーは俺のワイフになりたくないのか?」
目力の強い潤ちゃんが俺を見つめる。
(その目怖いよぉ…
わいふって言った?
俺?潤ちゃんのお嫁さんになるの?)
N「潤くんとじゃなくて“和子”とバージンロード歩いてくれるよね?」
“和子”キャラ全開で拗ねてきた。
「か!」
(和子とバージンロード!!! じゃ。俺和子のお婿さん?)
一気に体が熱くなった。
N「イヤなの?」
ジーッと俺を見つめる目が潤む。
「そ!そんな…」
慌てて言葉を口にしようとして、声が出ない。
(や!やじゃないよ!
ただ。カズの顔で“和子”キャラされると、ちょっと どうしていいかわかんない。
だって 俺はキャラじゃないカズが 大好きなんだ
でもね 俺の『我儘』で今のバランスを壊したくないんだ…
それに、俺には、決められてる相手もいるし…)
翔ちゃんと大ちゃんをみる。
(俺は翔ちゃんみたいな大人の対応できないし
カズは…
二宮和也は、ちゃんと
誰か…
うんと…可愛い子をエスコートしないといけないんだ)