第50章 俺は 三兄だよ
相葉視点
今 俺たちは虹の橋の上。
俺はカズと潤ちゃんの手をしっかり繋いで歩く。
(しあわせだぁ)
歩いているうちに、俺たちの着ていた服が、タキシードになっていた。
(いつの間にか変わってる… 聖地だから、何でもありだね♡)
M「デザインは違うんだね」
潤ちゃんが俺の服を触った。
N「確かに…」
カズも興味津々と俺のタキシードを見ている。
翔ちゃんは二人を見て、ニコッと笑う。
(よかった…翔ちゃんが笑ってる…)
突き抜けるような青い空を見上げる。
(あーなんて、綺麗な空なんだ
ね 翔ちゃん… 翔ちゃんが『次兄』なら俺は…三兄(さんけい)なんだよね)
大ちゃんと翔ちゃんを見る。
(俺ってまだまだガキだわ
ハワイに行けるって、分かってからの俺は、浮足立って…周りが見えてなかった
“僕”と約束したのに…)
『弟』二人の手の温もりをかみしめる。
(俺は、二人とは違う形で二人を守るよ 大事な『弟』だもんね♡)
M「足をね…」
N「こう?」
M「そうそう!いい感じじゃん♪」
カズと潤ちゃんが楽しそうにステップを踏む。
話を全然聞いていなかったから、どっちにという感じでもなく、二人に声を掛けた。
「二人とも…なにしるの?」
N「ん?」
一瞬目が泳いだカズ。
N「潤くんとバージンロードの歩きかた練習してる」
当然とばかりなシレッとしたニノ顔で俺を見る。
(ふ~ん…ん?)
「え? バ!バージンロード!」
ビックリして大声がでた。
(な、なんで!)
手を繋いだままカズに詰めよろうとすると「こうやって歩いたら、結婚式みたいだね♪」って潤ちゃんに惹き寄せられた。
(え…潤ちゃん?)
潤ちゃんを見上げていると「Jがそうなら、俺はこうだな!」って今度は和が俺の腕にすり付く。
(え!ニノも?なにこれ?なんで?結婚式ってなに?宴でしょ?)
潤ちゃんとカズを交互に見る。
カズが俺の二の腕に額を当てる。
N「結婚か……したいよ…なぁ…」
カズが、珍しく本音のトーンで言葉を口にする。
「え!」(いま?なに言った?)
衝撃に耐えられなくて、口が閉まらない。
(か、カズ?結婚したいの? 誰と?
今……彼女いたっけ?)
頭の中で、ここ何年間の記憶をたどって行く。