第42章 秘密の中庭 相葉と二宮 櫻井
櫻井視点
扉をくぐり俺たちの中庭に出た。
ここは、俺が選んだ 植物や装飾が配置されている。
俺の完全な好みだけど…四人は「それでいい」って言ってくれた。
{じゃね}
桔梗が一言 言って消える。
「あ…もう…」
後追いするように手を伸ばすが、もう、そこには桔梗はいない。
(桔梗はここが嫌いなのかな?
いつも一緒に来るのに、必ず…入ると消える…)
周りをぐるっと確認して歩きだす。
(桔梗は群れるのが 苦手なのかな…)
N「翔さん!!」
和也の声が聞こえた。
声の方を見ると、少し先に
A「翔ちゃ~ん」
大きく手を振る雅紀と和也がいた。
「おぉ」
大きく手を振って二人に近づく。
東屋に続く、石畳の道を二人は仲良く手を繋いでいる。
和也を真ん中になるように並ぶ。
(その方が…和也の機嫌が上向く)
N「今日はね。三人で一緒に飲みましょ♡」
和也が俺の手をいきなり握ってきた。
(おや。今日はやけに積極的だね?)
A「三人なの?五人で飲もぉよぉ」
雅紀がチラッと俺の顔をみて、口角を上げる。
(なんだよ、その目…余裕だね)
N「いいじゃないか。
どうせ、翔さんは潤くんに取られるんだから…」
ギュッと俺の手を握ったまま和也が雅紀を見上げている。
(和也の言い回しじゃ、雅紀に伝わるか 心配だな)
俺としては、なぜ潤に俺が取られるなのか、疑問におもったが、口にしない。
(和也がこんなに、積極的で、ご機嫌なのを壊したくないから、聞かないよ。
雅紀もそうだろ?)
A「おれは、大ちゃんと飲みたいの!!」
珍しく、反論する雅紀。
(バカだ…)
心の中で合唱する俺。
N「はー!俺とは飲みたくないのか!」
怒る手前の目をしている和也。
慌てて、取りつくろぉと「のぉみたいよ♪ 俺ぇニノと飲みたぁいー」開いている右手で、和也の鼻をツンツンする雅紀。
N「ならいいですよぉ」
つないだ両手を交互に振って少し前を歩き出す和也。
(耳まで赤いぞ♪分かりやすいなぁ♪二人とも…)
「ご機嫌だね」
そっと、雅紀に言う。
A「ふぅ…何よりだよ♬」
雅紀は、ホッとした顔の後に、はじけるような笑顔で言う。
(和也じゃないよ お前だよ)
東屋の中に人影がみえた。