第42章 秘密の中庭 相葉と二宮 櫻井
相葉視点
別の所で、扉が開く音が聞こえた。
「誰かな?」
音の方を向く。
N「翔さんか、潤くんですね」
「リーダーは来てるの?」
N「ええ。先ほど、いきなり東屋に現れました」
「いきなり?」(どうやって?)
N「眠った状態で『ドフ』って感じ」
繋いだ手は離さず、小さい前習えみたいなジェスチャーをしながら話すカズ。
(ドフって…丸くなって出てきたって事?)
「リーダーらしいちゃ、らしいけど(あの眼の力だよねぇ…)
扉を潜らなくても“ココに来れる”って、さすがだね」
ふって笑う。
カズが少し険しい顔をした。
(カズは…知ってるんでしょ?)
N「あ!翔さん!!」
いきなりカズが大きな声を上げる。
(あ!話ぃ変えた… いつもそうなんだよ。話したくない事や、黙っててほしい事は、話さないように誘導するんだもんなぁ…)
カズの見ている方を向くと、超カッコよくスタスタ歩いている翔ちゃんが見えてきた。
(そして、それに合わせてしまう俺がいるんだよなぁ…)
「翔ちゃ~ん」
大きく手を振る話を変える。
S「おぉ」
大きく手を振っている翔ちゃん。
昼間のような、トゲトゲ、ピリピリのないやさしいオーラを纏っている。
翔ちゃんはカズの隣を歩き出す。
N「今日はね。三人で一緒に飲みましょ♡」
カズがご機嫌な声で翔ちゃんの手を握る。
(翔ちゃんの手はすんなり取るんだよなぁ)
「三人なの?五人で飲もぉよぉ」
(翔ちゃんは大ちゃんと一緒に居たいでしょ?)
少し、冷やかしの目で翔ちゃんを見る。
翔ちゃんの目が泳いでいる。
(せっかくの宴は、俺だって、カズを独占したい。じゃないと、カズ 直ぐ大ちゃん所行くし…)
N「いいじゃないか。どうせ、翔さんは潤くんに取られるんだから…」
口を尖らせながら、俺を見上げるカズ。
(なに?その可愛い顔…)
カズの手を見る。翔ちゃんの手は放していない。
(……俺より、ちゃんと握ってるような…
もし、潤ちゃんが翔ちゃんと語り合いしなかったら、
カズは、大ちゃんと飲むでしょ?)
「俺は(カズと一緒にいたいから)大ちゃんと飲みたいの!!」
N「はー!俺とは飲みたくないのか!」
カズの目にギラリと光るのを感じた。
(なんで、カズが怒るのよぉ!!)