第42章 秘密の中庭 相葉と二宮 櫻井
相葉視点
使者に誘導されて、扉をくぐった。
(背中が熱い)
痛みではなく、みなぎる感じ。
(俺の羽…もう少しでハバタけるんだ…
日翅ちゃんの『時期尚早』の声が聞こえそうだけど…)
明るく温かい陽が燦々と降り注ぐ石畳に出てきた。
(いつ来ても、ココは綺麗だ…)
数羽の小鳥が俺の周りを飛ぶ。
(あ……一緒に行く?)
手を上げると、フワッとピンクの長い尾した小鳥が俺の手に降り立つ。
(ふふ。綺麗な尾だね♡)
{ありがとう…羽を継ぐ王子}
小鳥が囀(さえず)る
(今の俺で、継げるのかなぁ…)
ちょっとだけ、心が揺れる。
急に小鳥が俺の手から飛び立つ。
誰かが近づいて来るのが分かった。
(迎え?)
こっちの服を着て、やさしくほほ笑んでいるカズが見えた。
(え!カズ? どうして!!)
急いで、カズの所に走って行く。
(話では、一人づつって…)
N「もう、声に出してもいいよ」
カズがくくくっと笑いながら言う。
「え?そうなの?」
間抜けな声で返事をした。
N「くふ。マー君が一人で扉をくぐるの初めてだったっけ?」
カズが笑いながら歩き出した。
(あ!待ってよ)
「そ、そうだよ!!すごく、緊張した!!」
俺もそのあとをついて行く。
カズは、小さく肩を揺らして歩いている。
(もしかして、心配してくて、きてくれたのかな?
いやぁ 俺のテンパリを冷やかしに来たのかも…
う~ん
迎えに来てくれたのならうれしいなぁ
『嬉しい』って抱き付いたら、殴られるかなぁ…)
触れるか触れないかの距離で歩いていると、カズが立ち止まった。
そして、俺の方を少し顎を出して見上げる。
「なんだよ…」
(まだ、何もしてませんよぉ?)
N「やっぱり…いつもみたいに!!」
カズの方から手を伸ばしてきた。
(わ♡ 手繋いでいいんだ!)
「うん!」
カズの手を取る。
(カズの手 あったかい)
ギュッと包み込む。
N「いこう♪」
カズが歩き出す。
「皆がまってるね♡」」
手を大きく降って歩き出す。
N「子供ですねぇ」
耳が少し赤いカズ。
「ええ。ガキですよぉ」
にひゃと笑って、大股で歩く俺。
(やっぱり、ココでは 素になれる…)