第41章 秘密の中庭 マシラと大野と松本
大野視点
『にぃ…ぉにぃ……』
誰かが呼んでいる。
(だれだよ…
せっかく…寝たのに、起こすなよ…)
『御仁!』
物凄く怖い声が聞こえた。
「ひぇぁい!」
慌てて起き上がる俺。
『なにその、間の抜けた声をだすのです?』
あきれ顔の男が寝起きの俺の前に立っていた。
(ニノ…?じゃない…)
顔も声もニノだけど、服が違う。
『先に御仁と話をしようと思ってたのにぃ』
自分の座る場所を作って座る男。
(この感じ…)
「えーっともしかして、ニノと一緒にいる宮様?」
(聞くが早い…)
宮『そうだよ?
こうやって面と向かって話すの初めてじゃ無いでしょ?』
宮様は、ニノと同じような態度で扇子を向ける。
(やっぱり…ニノは?)
宮『振り出しですか?まーいいですけど…』
ふくれ顔の宮様。
(拗ね方も同じ… さて…どうやって話そう……)
宮『今日はね♪良いことがあるよ♪』
宮様が花が咲いたような笑顔で唐突に話始める。
「え?なに?」
宮『桃木がね♪ショウと接触できる…と言うか、もうすぐ来る♪』
「え?(だれ?)」
『桃木ニ会エル?』
考えてることを、しゃべっている事が違う。
宮『ええ♪ですから…もう少しです』
扉が開く音がした。
宮『噂をしたら…』
(だれ?)
俺は、開いた扉からでてくる人影に集中する。
M「あれ?」
出てきたには、松潤と大きな犬だった。
宮『な~んだ 犬かよ!』
宮様は大きな声で落胆する。
M「オイ!ももは犬じゃねぇ。狼だ!」
松潤が宮様に突っかかる。
「あ(ニノだと思ってる…)」
宮『我にとったら、山犬にしかないのですよぉ』
宮様がふぁっと浮いて、俺の後ろに隠れる。
(言うだけいって…逃げてこないでよ…)
M「え?……ニノじゃねーの?」
松潤が固まっている。
「この人はね…」
説明をするつもりで、松潤に近づこうすると、間にはいるように、側にいた松潤と同じくらいの大きな黒い犬の背中が向く。
犬{潤さま
この方 御岳帝 御子(みたけてい おこ)
猴(ましら)の宮様でございます }
(人語(じんご)話せるようになったんだな…)
墨紫の毛のふわふわの尾っぽで‘来るな’って言われてるみたいだった。