第39章 器に休息を 花と共に
部屋に‘輝く扉’が現れる
扉から聖服を着た使者が現れ{お迎えに参りました}と深々と頭を下げている。
(あ…迎えが来た…桃木さんともう少し…)
頭の中に智くんの笑顔が浮かぶ。
(そうだ…今は、智くんの所にいきなきゃ…)
体を使者の方に向ける。
桃『翔。そなたは良い男だ』
桃木さんが俺をキツク抱きしめる。
(え!)
いきなりだったから、固まる俺。
桃『これからも、悟をよろしくね…』
桃木がそう言葉にすると、目の前から消える。
(どこ行ったんだ?)
見回すが、声も気配も感じなくなった。
目の前には、深々と頭を下げている使者と‘輝く扉’だけ
{王子 体を}
桔梗が耳元で誘導する。
「うん…」
俺は、布団の中に入る。
{メンバーが待ってるから行きましょう}
桔梗が俺の周りをフワフワ飛んでいる。
目を閉じると、ふっと体が軽くなる。
目を開けると、あまり好きではない衣を纏っていた。
{では、参りましょ…}
使者に誘導されながら扉をくぐる。
扉の向こうには、太陽が燦々と降り注ぐ庭に出た。