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虹と花とキミ達と 1 《気象系》

第38章 器に休息を 相葉と松本


相葉視点

そっと、ニノの部屋の扉を閉めた。


ドアノブを握ったまま、少しそのノブをジッと見つめる。


オートロックのはずだから、もう…開かない。

分かっているのに、離す事が出来ない。


(大丈夫…俺はここから追い出されたんじゃない…)

ふーーっと大きく息を吐いて、ドアノブを離す。


アイボリーの廊下をゆっくり歩いて自分の部屋に帰る。



 途中にジーッと俺を見ている日翅ちゃんがいた。


(いつもの優しい日翅ちゃんじゃない…

 俺の嫌いな冷たい感情の無い目をしてる…)


何も言葉にしないで日翅の横を通り抜ける。




本郷「ボン」
 日翅が俺の腕を掴む。



「なんだよ」
日翅を睨みつける。


 日翅が俺の躰を上から下まで確認している。


「急に掴むなよ」
俺の腕を掴んている日翅の腕を振り払う。


「それに、今日は『五人だけ』って(ニノが)言っておいたはずだけど?」
俺は日翅に、冷たい声で言う。


(今のアンタ嫌いだ!メンバーまで敵視している!)


本郷「失礼しました」
 深々と頭を下げる日翅。


(わかってるんなら…いいよ)


部屋に向かって歩く。

そっと後ろを確認すると、日翅ちゃんの姿はもうなかった。


(ふー、いいヤツなんだけど…

 どうして、メンバーを信じてくれないのかな?)


本郷のお家からやってきた。
俺の専属マネージャーと言う名目の監視役。


(仲良くやってるつもりなのに…どうしてかなぁ)

捕まれた腕は地味に痛くなってきた。

(日翅ちゃんも俺と一緒で、力の加減覚えないとね…)



自分の部屋の扉の前に立った。

(メンバーを疑い出したら、この世界で誰を信じるのさ…
 誰も、信じられなくなるよ…)

扉のノブに手を伸ばすと、ノブが勝手に動いて、部屋の中に向かって動いて行く。


(え?ちょっと…)
掴む物が無くなった手と腕を見て、勝手に動いた扉に向かって顔を上げる。


M「おかえり♪」
 部屋の中から笑顔の潤ちゃんが立っていた。


「え?
(なんで?)

 潤?ちゃんが?」

(いるの?ここ?俺の部屋だよね?)


M「入れよ!自分の部屋だろ?」
 親指を立ててクイクイ動かしている潤ちゃん。


「あ…うん、ありがとう」
頭をかきながら、部屋に入った。
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