第38章 器に休息を 相葉と松本
松本視点
「おれは、ココの片づけをしてる。
それにマー君帰ってきた時、部屋 開けなきゃでしょ?」
扉の横に刺さったままのカードを指さす。
S「そ、それは俺がするから…」
テーブルの方に戻ろうとする翔さん。
「いいよ」
とっさに翔さんの腕を掴んだ。
「翔さんはリーダーの傍にいて(その方がいい)
スケジュール的に一緒にいれるの今晩くらいでしょ?
今日は、けっこう疲れてるはずだから…体と心の支えになってあげてよ」
廊下の方に親指を立てて振ってみる。
翔さんは戸惑った顔で目をパチパチしている。
S「そうだね…わかった」
(いろいろ考えたんだろう…
翔さんの百面相はいつ見ても面白い♬)
「翔さんも送り狼にならないでよ♪」
調子に乗ってふざけた。
S「オイ!
次、そういう事言ったらグーが飛ぶぞ!!」
低い声と睨む目の翔さんが俺を刺す。
「ご、ご免なさい!!!!!!!」(マジキレされた!!)
あわてて、キッチンに逃げ込む。
O「翔ちゃ~ん♡」
廊下から、智さんの声が聞こえてくると「はーい♪」と突き出したグーをパーにして廊下に走って行く翔さんがみえた。
(ナイスタイミングです)
扉の閉まる音がした。
「さて、片づけよう…かねぇ…」
大量の食器をみて腕を摩る。
まだ、王冠の付いたままのハワイビールを一本開けて、ラッパ飲みする。
(このビールはこうやって飲むのが本当じゃないかな?)
「ふー」
息を吐く。
皿をシンクに移動して、 水を出す。
水の流れる音。洗う皿と皿が当たるカチャカチャという音。
その音達だけが部屋に広がり消えていく。
誰の声もない。
一人だから、自分の声も出さない。
さっきまでのにぎやかさが、夢のように、静寂が広がる部屋
物凄く、寂しくなる
(ずっと…四六時中、見える範囲…みんながいないと…)
存在を感じれる範囲に四人に居てほしい『僕』がいる
(俺いくつになったんだよ…小学生か?)
自問自答みたいな事を考えてで笑ってしまう。