第35章 天邪鬼の器に休息を
相葉視点
(松潤のバカ!!変な事言うなよぉ)
部屋から出て、ずっと横を歩くカズが気になってしょうがない。
(潤が言った言葉、聞こえてないのかなぁ)
無言で歩いて行くカズ。
(なにも言わない…この、静かさがコワイ…)
ニノの部屋の前カズが下を向いたまま動かなくなった。
(開けろって事ですか?
う~ん。
声を掛けた方が早いかな?)
「ねぇ?カード出して?」
カズがふっと顔を上げ「あ…うん」と小さく呟く。
そして、ノロノロとロングTシャツのポケットからカードを出した。
(やばいな…立ったまま寝そうになってる…)
ニノのカードを使って扉を開けると、カズは無言で真っ直ぐベッドにダイブする。
「あぁ…もう、そんな向きで寝たら…体に(負担がかかるよ)
ほら、もうちょっとだけ、起きてて…」
かろうじて意識があるカズを抱きかかえて、体の向きや枕・クッションを体の周りにセットする。
N「いつも…すまないね…」
布団の上で、手を小刻みに揺らして笑っているカズ。
(志村さんのコント?みたいな事言うなよ…
でも、乗ってあげるよ)
「それは言わない約束だろ?おっかさん(笑)」
掛け布団をカズの体の上にフワッとかける。
カズが ふふっと笑って見あげてくる。
(ご機嫌になった…よかった…)
N「マー君…後で迎えに行くから…」
掛け布団を両手で持ったカズが話しかけてきた。
(迎え…ああ、聖地の宴の事だね…)
「今日は独りで行けるよ」
聖地で貰った花のペンダントを出す。
N「そうだね…祝福貰ったもんね…」
カズも自分の頭にある花を触っている。
(カズの花は‘黄色’なんだね♪)
祝福の花の色ってみんな色が違う。
(俺は緑の花。地味だよね?
なんで、花なのに葉っぱの色なんだろうって考えてて
まさか、精霊が“相葉”の‘葉’とか、狙ったの?とか
思いついた時はちょっと笑ったし…
10周年の時にもらった『ひまわり』の王冠結構気に入ったんだけどなぁ
でも、緑は俺の“嵐の色”だし…
僕の羽の色だった色…)