第34章 そろそろ休息に
櫻井視点
(おかしい…さっき…智くんを踊った時、周りに‘音霊’が現れなかった…)
部屋を目視だけだが、異常はない。
むしろ、静寂。安全圏内にいるようだ。
(専属たちが‘結界’を張ってくれてるんだろうけど…)
M「翔さん…そろそろ?」
潤が腕時計を見ながら話しかけてきた。
「『宴』のお迎えのこと?
(お前の)体を寝かさないと、後が大変だね…」
(あぁ俺もかぁ)
両手を伸ばして背伸びをすると、するっと、智くんが抱きついてきた。
(もう…油断した…)
O「そうだね!いつ帰ってこれるか、わからないし…」
俺のわき腹に体を密着する智くん。
M「明日のリハ集合までには、帰ってきたいよ!!」
潤が腕時計をトントンして智くんに時間をアピールする。
(無理無理。今の智くんに説明してたら、朝になるよ)
「当たり前だよ… そんな長居は、かえって失礼でしょ?」
潤と会話をしながら、智くんの体温や心拍を確認。
(あーもう、完全に酔いが回ってますね…)
「智くんが言いたいのは。まだ、帰ってきてない時に、誰が起こしてくれるか、わからないって事!」
(とりあえず、座らす…)
M「あ…なるほど…朝の事を言ってるのか…」
O「ちいふ や ゼンゾクならいいけどぉスタッフだったら、大騒ぎになるよ!!」
俺から離れて、立とうとする智くん。
(ぁ離れないでぇコケたらどうするの!)
M「スタッフが起こしになんか来るかよ…あ、でも、災害とかあったら…って事だね」
潤が一人で納得してくれた。
S「そうゆう事」
M「じゃ。お開きにして『宴』の準備をしようか…」
A「…部屋いこう…」
雅紀がニノを起こしている。
(ニノ…寝てたんだ…)
N「うーん。行く…」
ゆらゆら立ち上がるニノ。
相葉くんが倒れないように側に立つ。
(あっちも、手がいるかな?)
「智くん?ここ座って…」
側の椅子に足がとどきそうだったから、足で引きよせる。
O「うん」
素直に椅子に座ってくれた智くん。
(いい子。いい子!)
背中をポンポンと叩いてから、相葉ちゃんの側に行く。