第30章 お兄ちゃんが
相葉視点
M「同じ意味だろ?」
潤ちゃんが不思議そうな顔をする。
(それは…えっと…うまく説明できない…)
「おいおい!?全然意味が違うよ」と勢いよく話に翔ちゃんが割って入ってきた。
翔ちゃんが質問して、潤ちゃんが俺にはなかなか見せない、素直な顔で答えている。
その答えを聞いて、はーっと豪快に息を出す翔ちゃん。
S「いいか、潤」
翔ちゃんがキッと目に力を入れる。
M「あ、はい!」
潤ちゃんが固まるのが分かる。
S「いい機会だから…」
顔は笑っている翔ちゃん。
S「座って」
クイッと人差し指を床に向ける翔ちゃん。
(ヒッ! その笑顔 コワイ…)
俺も固まった。
無言でソファーの下に座る潤ちゃん。
S「まず、潤が言った『自意識過剰』って言うのは『自意識』が『過剰』になっているって事!
その意味は… … …
学校の先生の様な口調で潤ちゃんに話している。
M「そんな意味で言ってない…」
潤ちゃんは背中を丸めてシュンとした。
S「うん。分かってる
俺が思うに、潤が言いたいのは、自信があるって事だよね?
それは雅紀が言った『自信過剰』の方だよ」
(ほら!俺のが当たってた!!
みんなさ。
俺を『バカ』だって言うけど、ちゃんと勉強してるし、辞書だって引ける
なのにさ、信じてくれない。
翔ちゃんが言うと信じるのにさ!!)
「だから、言ったじゃん」
いつも小馬鹿な扱いをされてるから、ソファに座ったまま強めに言う。
(こういう時に、ちゃんと“兄貴”をしとかないと、いつまでも、このままだ…)
N「私がうぬぼれてるって事ですか?」
背中側からカズの怒った声がする。
振り向くと、カズが凄い冷めた目で睨んでいる。
「俺は、潤ちゃんの言葉について、言っただけで…」
N「へー、でもよく。Jの言葉に直ぐ反応できたね?
心のどっかで、思っているんだろぉ…」
(そ、その目…厄介な…どうやって、説明したらいいの?『かわいい』って連呼したら、嘘っぽくなるし…)
「カズは肌だって…白くて…綺麗だし…ちゃんとアイドルとしての意識も高いし、可愛いしぐさとかも、ピカイチだって思ってるよ」
(言葉にしたけど…お酒の入った天邪鬼に届いたかなぁ…)