第30章 お兄ちゃんが
大野視点
「翔ちゃん。
潤がさ、お酒買ってくるなんて、俺たちもおじさんになるはずだよね」
S「まだまだ。子供だと思ってたの?」
「そうだよ。
だって…外ではどうか分かんないけど『やれ、ケーキだ。チョコだ』って、甘い物ばっか買ってくるじゃん?」
S「あれは、収録前の糖分補給だろ?」
「それって、言い訳だと思うよ。食べたいから…」
N「やだ!!」
和也のマジ声が聞こえた。
声の方を向くと、ソファーの方で三人が何か話している。
(なにかあったのか? 何話しているのか聞こえない…)
「けんか…かな?」
立ち上がる。
S「違うと思うよ?」
翔ちゃんは俺より後で立ち上がったのに、先に三人の方に行く。
(そう?今の和也の声は、マジ声だったよ…)
三人の所に行くと「全然意味が違うよ」と翔くんは三人の話を聞いていた。
S「潤はニノにどういう意味でその言葉を使ったの?」
まずは、状況を確認する翔くん
M「ニノがさ、自分で自分を『かわいい』って言うから…自意識過剰じゃね?っていったら」
A「だから、それを言うなら自信過剰だって…」
松潤と相葉ちゃんの会話を聞いて、はーっとため息をする翔くん。
S「いいか、潤」
低い声を出して松潤を見る。
M「あ、はい。」
呼ばれた松潤と和也の横にいた相葉ちゃんが固まった。
S「いい機会だから、座って」
にこやかな顔で、床を指さす翔さん。
(翔先生降臨ですね)
松潤が床に座るのを確認して俺は一番近くのテーブルの椅子の背もたれを抱くように腰かけた。
S「まず、潤が言った『自意識過剰』って言うのは『自意識』が『過剰』になっているって事!
その意味は、自分の外見や行動などが『他人からどう思われているか』などに、必要以上に注意をはらっている傾向がある事。
ひどくなると、対人関係のあらゆることが自分と関係しているような錯覚に陥り、相手の態度がすべて自分への反応であるかのような思い込みが生じる。
『誰かが自分の悪口を言っている気がする』って考え込んで『対人恐怖症』や『うつ病』という心の病になるかもってヤツだよ?」
翔先生が優しく説明している。
(ほんと、松潤にやさしいねぇ…)