第30章 お兄ちゃんが
二宮視点
A「ん…カズ?」
マー君が呼んでいる。
「う~なに?」
目をこすりながら返事をした。
A「眠いの?」
(ねむいのかなぁ?確かに……)
A「部屋に帰る?」
肩をそっと触ってきたマー君。
「やだ!」
側のお置いてあるクッションを掴んで抱きしめる。
(せっかく。こうやってみんなと一緒にいれるんだ。ここに居させてよ!)
マー君をジッと見ている。
マー君が目をパチパチさせながら固まっている。
M「ぷっ なにその『やだ』って…可愛い♪」
潤くんがニヤニヤして近づいて来る。
「可愛いのは知ってます」
(えー潤くんにも聞こえたの…恥ずかしい)
クッションに顔を隠す。
(顔が赤いよね…。お酒入っているから、ごまかせるかな?)
M「お!それ、自意識過剰ってやつじゃね?」
潤くんから指摘される。
(自意識?ちゃんと持ってますよ?でも過剰なつもりはないけど…)
A「それを言うなら、自信過剰じゃない?」
(まーくん…俺は自信過剰なの?)
M「同じ意味だろ?」
(潤くん…全然意味違うよ)
S「おいおい!?全然意味が違うよ」
翔さんが話に割って入る。
S「潤はニノにどういう意味でその言葉を使ったの?」
M「ニノがさ、自分で自分を『かわいい』って言うから…自意識過剰じゃね?っていったら」
A「だから、それを言うなら自信過剰だって…」
潤くんとマー君がさっきの会話をリピートする。
S「いいか、潤」
“はー”っとため息をついた翔さんが潤くんを見る。
M「あ、はい。」
潤くんが固まっている。
その隣でマー君も固まっている。
S「いい機会だから、座って」
にこやかな顔で、床を指さす翔さん。
(お兄ちゃん。この二人に言葉を教えてよ)
潤くんの頭が、目の前にある。
S「潤が言った『自意識過剰』って言うのは『自意識』が『過剰』になっているって事!」
翔さんが、学校の先生の様な口調で潤くんに話している。
(ごめんなさい…
もう、翔さんの説明 聞く キャパありません…)
M「そんな意味で言ってない…」
テンションの低い潤くんの声が聞こえる。
S「うん。分かってる」
なだめる翔さんの声が聞こえる。
A「だから、言ったじゃん」
自慢気なマー君の声が聞こえる。