第30章 お兄ちゃんが
相葉視点
M「本番が楽しみ!」
S「そうだね」
お酒がいい感じに回った潤ちゃんと翔ちゃんが笑い合ってる。
O「翔くんもっと飲む?」
ウイスキーのボトルを持つ大ちゃん。
S「飲む!!」
グラスを突き出す翔さん。
(二人とも本当に強いね…何杯目?)
ワゴンの下の段にボトルが寝かされている。
(明日イッパイ踊るのに、結構な量飲んだと思う…)
カズがグラスを持って立ち上がる。
(あ…どこ行くの…ソファーが…俺も行く!)
「カズ♪」
カズが座っている一人掛けソファに一緒に座ろうと腰を下ろす。
N「なんで、ココに座るんだよぉ!下に座れよぉ」
クッションを持って抵抗するカズ。
「いいじゃん…よって!よってよ」
ちょっと強引に腰を入れると(もう!)みないな顔をしながら、体を動かして、俺の座るスペースを作ってくれるカズ。
「いぇーい。カズの横!!」
オーバーリアクションで喜びを表現する。
露骨に嫌がった顔をするカズ。
(俺は知っている。リアクションを取れば機嫌がよくなる事)
S「智くんもストレートいく?」
O「うん。さっきからほとんどストレートだし!」
完全に指し飲みになっている兄ちゃん二人を穏やかな顔で見えるカズ。
「二人はもう大丈夫だよ!
カズが一生懸命。気を利かしたおかげだね!」
カズに話しかけているのに、反応がない。
「カズ?」
N「う~なに?」
ぼーっと焦点の無い目で俺を見るカズ。
顔も首も赤くなっているカズが、力なく手の甲で目を擦っている。
「眠いの? 部屋に帰る?」
N「やだ!」
背中にあるクッションを引っ張り出して抱きしめるカズ。
(ちょっと、なに可愛い事言うのよ)
クッションで口が隠れているから、目だけが俺を見ている。
(なに?その可愛いさ爆発!
カズの上目遣いは物凄い破壊力なんだよ?
分かってやってる?)
M「ぷっ なにその『やだ』って…可愛い♪」
潤ちゃんがニヤニヤして近づいて来る。
N「可愛いのは知ってます」
クッションに完全に顔を隠すカズ。
M「お!それ、自意識過剰ってやつじゃね?」
お酒が入った潤ちゃんの容赦ない言葉が飛んできた。
ムーッと口を尖がらしたカズがいる。
「それを言うなら、自信過剰じゃない?」
一応フォロワーをした。